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てんまど市場(てんまどいちば)

別名: てんまど、てんまど市場の路地

兵庫県内の市の中心部、駅の北側の商店街の一角にある、小さな店が並ぶ昔ながらの市場。昭和9年に24店舗で始まり、肉・魚・総菜・卵などの毎日の食材を扱う店が細い路地に軒を連ね、「市民の台所」として親しまれている。

概要

てんまど市場は、兵庫県内の市の中心部にある、小さな店が並ぶ昔ながらの市場である。駅の北側に広がる商店街の一角にあり、肉、魚、総菜、卵といった毎日の食材を扱う店が、せまい路地の両わきに軒を連ねている。戦前から続く「市民の台所」として、買い物に来る人に長く親しまれてきた。大きな店にはない対面でのやりとりが残っており、店の人と客が値段や食べ方を話しながら買い物をする光景が、いまも日常になっている。

所在地とアクセス

市の中心の駅から北へ歩いてすぐの、商店街の中にある。まわりには市が建てた再開発ビルや大型の商業施設が立ち、その足もとに低い建物の市場が残る形になっている。駅から歩いて来られるため、通勤や通学の帰りに立ち寄る人も多い。自転車で来る人も多く、買い物の荷物を積んで商店街の中を通り抜けていく姿が見られる。

歴史

市場の始まりは昭和9年(1934年)2月で、最初は24店舗だった。そのころ、このあたりには別荘のある地帯が広がっていて、市場の客も、そこに暮らす人たちが中心だった。

戦後、市が港野市(兵庫県内の大きな市)のベッドタウンとして人口を増やすにつれ、市場も大きくなった。昭和57年には80店舗をかぞえる大きな市場に育ち、最盛期には、肩がぶつかって人が通れないほどのにぎわいだったと語り継がれている。

2000年代のはじめに、市が駅前に再開発ビルを建てると、まわりに大型の商業施設が集まり、市場の客足は少しずつ減った。店を営む人の高齢化も進み、店の数はかつてより大きく減っている。それでも、残った店の多くは代々続く店で、長年の常連に支えられて営業を続けている。

市場のつくりと特徴

市場の通路は、道幅が約2mの細い路地である。南北に約60mまっすぐ延びる通りを中心に、東西へ枝分かれし、ぐるりと回れる「ロの字」形になっている。初めて来た人は迷いそうになるほどで、「迷路のような市場」とも呼ばれる。

路地の両側には、精肉店、鮮魚店、総菜店、卵や乾物の店、青果の店などが並ぶ。店先には商品が台に直接並べられ、客は見比べながら手に取れる。注文を受けてから切り分けたり、量り売りにしたりする店が多く、少量でも気軽に買える。屋根のかかった通路は雨の日でも濡れずに歩けるため、天候を気にせず買い物ができる点も、昔ながらの市場の便利さとして知られている。

見どころと利用のされ方

利用者の中心は、近所に暮らす年配の人や、夕方の買い物に立ち寄る勤め帰りの人である。魚は朝に仕入れたものが昼過ぎまでに売れていくため、早い時間に訪れる人が多い。総菜店では、揚げ物や煮物、おにぎりなどが手ごろな値段で並び、夕食の一品を買い足す人でにぎわう。卵や肉は量り売りで、必要な分だけ買えるのも、一人暮らしの人や少人数の家庭に好まれている。

市場の人たちは客の顔と好みをよく覚えていて、「いつもの」で通じる店も少なくない。魚のさばき方や煮物の味つけを教えてくれる店もあり、買い物がそのまま暮らしの知恵の受け渡しの場にもなっている。

周辺と地域とのかかわり

市場のまわりには、商店街の古い店や、手芸店などの小さな専門店も点在している。毛糸や布を買う人が、そのついでに市場で夕食の買い物を済ませる、といった使い方もされる。再開発で新しい建物が増えたいまも、市場は街の中心にある生活の場として、昔ながらの人のつながりを保っている。

市は、にぎわいを取り戻すための催しや、空き店舗を活用する取り組みを、商店街の人たちとともに進めてきた。細い路地と小さな店という市場ならではの姿を残しながら、世代の違う客を呼び込めるかが、これからの課題とされている。

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