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岩岡市(いわおかし)

別名: 岩岡

霞が潟に近く、田んぼの多い茨城県内のまち。農業と酒造を柱とし、国道と鉄道が通る南部の市である。

概要

岩岡市は、茨城県の南部にある市である。面積は約215平方キロメートル、人口は約6万8千人。東に霞が潟を望み、平野には田んぼやれんこん田が広がり、西側は山並みに囲まれた盆地になっている。東京都心からはおよそ60〜70キロメートルの距離にあり、農業と酒造、小さな工場が暮らしを支える、ゆったりとしたまちである。霞が潟に近く、田んぼの多いまちという姿は、いまも市の大きな特徴となっている。

地理

市の北部には園部川、南部には恋瀬川が流れ、どちらも霞が潟の方へ向かう。西部では山地が盆地をぐるりと取り囲み、その中の平らな土地に水田や果樹園、集落が点在する。東側の低地は霞が潟に近く、水の豊かさが米づくりやれんこん栽培を支えてきた。市の西にそびえる阿国山や芦野山などの山々は、ハイキングや登山の場としても知られ、晴れた日には平野の向こうに広がる湖面を見渡せる。気候は年間を通じて比較的おだやかで、冬は晴れの日が多く、夏は蒸し暑い。

歴史

奈良時代には常陸の国の役所である国衙が置かれ、古くから地域の政治と文化の中心だった。国分寺と国分尼寺も築かれ、その跡は今も史跡として大切にされている。のちには城下や街道沿いの町として栄え、商家や酒蔵が並ぶ町並みが育った。昭和29年(1954年)2月11日に市制を施行し、平成17年(2005年)10月1日には、山あいの盆地にあった隣の町と対等に合併して、現在の岩岡市となった。合併により市域は大きく広がり、平野と山あいの両方をあわせもつまちになった。

産業

農業では、水田でのお米づくりに加え、れんこん、柿、みかんなどの果樹の栽培がさかんである。れんこんは霞が潟に近い低地の泥の深い田で育てられ、秋から冬にかけて収穫の最盛期を迎える。盆地では観光農園も営まれ、季節ごとに果物狩りの人が訪れる。酒造は古くからの地場産業で、市内には江戸時代から続く伝統の蔵が残り、清らかな水と地元の米を使った日本酒がつくられている。工業では、大手メーカーの工場などが立地し、働く場を提供している。

交通

民営の鉄道会社の常磐方面の路線が南北に市を縦断し、岩岡駅がまちの中心の駅となっている。東京方面へは特急や快速で1時間あまりで行き来でき、通勤や通学にも使われる。道路では国道6号と国道355号が交わる交通の要衝で、高速道路も市内を通り、東京方面や県内各地への行き来がしやすい。駅前からは路線バスが各地区へ出ており、日々の足を支えている。

祭と暮らし

秋には、市の中心部で大きな例祭が行われ、飾りをほどこした山車や幌獅子が通りを巡る。多くの人でにぎわい、まちが一年でもっとも華やぐ時期である。このほか、春の桜、初夏の田植え、秋の稲刈りやれんこん掘りなど、季節ごとの農の営みがそのまま暮らしのリズムになっている。駅の周辺には商店や飲食店が集まり、田んぼの広がる郊外とのあいだで、人びとはほどよい距離感をもって暮らしている。

周辺

東には霞が潟があり、湖畔ではサイクリングや釣りを楽しむ人の姿が見られる。西側は筑波の山並みに続き、自然に親しめる山あいの地域がつづく。市の周辺には、同じく農業と水辺にめぐまれたまちが広がり、県南部の暮らしと観光の一翼を担っている。