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上ノ谷公民館(かみのたにこうみんかん)
浜戸市の山あい、江之瀬川に近い上ノ谷地区にある公民館。昭和39年に開かれ、旧村の支所の跡地に建て替えられた。敬老会や地区の集まり、サークル活動の場として使われている。
概要
上ノ谷公民館は、浜戸市の山あいにある上ノ谷地区の公民館である。地区の住民がいちばん身近に使う集会施設で、敬老会や地区の会合、サークル活動、学びの講座などに広く使われている。上ノ谷地区は、市の中心部から遠い山あいの集落がいくつか集まってできた地区で、人口は800人足らず、世帯数は約370戸にとどまる。高齢化率は5割を超えており、公民館は、お年寄りが集まって話をしたり、地区の行事を開いたりする暮らしの拠点になっている。
所在地とアクセス
公民館は上ノ谷地区の中心にあたる下上ノ谷の集落にあり、地区の東側の境を流れる一級河川の江之瀬川に近い。江之瀬川に沿った谷あいに家と田畑が細長く続き、公民館のまわりには古くからの集落の家並みがある。地区は市域の東の端にあたり、市の中心部の本庁からは車で40分ほどかかる。市の東の玄関口ともいわれる。
公共の交通は路線バスが中心である。公民館の前にはバス停があり、通学の生徒や、町の病院や買い物に出かけるお年寄りが使う。地区にはかつて谷あいを縫って走る鉄道の路線が通っていたが、2018年に廃止された。いまは、残された駅舎や線路、トンネルの一部を地元の観光や交流に生かす取り組みも行われている。
歴史
上ノ谷公民館は昭和39年(1964年)に開設された。もとは旧羽美村の地区公民館で、村には上ノ谷と、もう一つの地区の二つの公民館が置かれていた。2004年(平成16年)に羽美村が近隣の二つの町と合併して新しい自治体になり、のちに浜戸市の一部となったあとも、公民館は地区ごとの社会教育と住民の活動の拠点として続いてきた。
合併後、旧村役場にあたる支所の役割が見直されたことをきっかけに、公民館は支所の跡地に新しく建てられた建物へ移った。新しい建物には、大きなホール、図書コーナー、調理室、和室がある。屋根には、この地方で古くから使われてきた赤い釉薬瓦(石洲瓦)がふかれ、山あいの家並みになじむ外観になっている。
施設と特徴
ホールは、敬老会や地区の総会、講演会、文化祭など、大勢が集まる行事に使われ、机を並べ替えて食事会にもできる。和室は、少人数の会合やお茶の集い、子どもの集まりに使われる。調理室では、地区の女性の会や料理のサークルが郷土料理を作ったり、行事のときの炊き出しをしたりする。図書コーナーには一般書や絵本が置かれ、気軽に本を手に取れる場所になっている。
公民館を拠点に活動するサークルは多く、2020年3月末の時点で13の団体が施設を使っていた。手芸や書道、体操、歌、郷土の歴史を学ぶ会など、内容はさまざまで、世帯数が350戸ほどの地区としては活動が盛んである。公民館は毎月「公民館だより」を出して、行事の予定や地区の人口・世帯数の移り変わり、サークルの様子などを各家庭に知らせている。
行事と利用
一年でいちばん大きな行事の一つが、毎年9月の敬老の日のころに開かれる敬老会である。地区の社会福祉協議会が中心になって準備し、地区のお年寄りを招いて、式典や地元の人による演芸、お茶や食事でもてなす。子どもや若い世代がお茶を配る手伝いをすることも多く、紅白のまんじゅうなどの記念の品が配られる。年末には、同じ社会福祉協議会が中心になって、お年寄りの家に餅を配る活動も行っている。
このほか、江之瀬川の流れを眺めながら地区の中を歩くウォーキングの会、健康づくりの講座、季節の料理教室、子ども向けの体験行事、地区の文化祭などが、公民館を会場に開かれる。地区の自治会や各種団体の会合、選挙のときの投票所、災害時の避難所としても使われ、山あいの集落の暮らしを支える場所になっている。
周辺
公民館のまわりには、江之瀬川に沿った田畑と、山すその集落が広がる。川沿いの道は散歩やウォーキングのコースにもなっており、秋には谷あいの木々が色づく。周辺は街灯が少なく、晴れた夜には星がよく見える。廃止された鉄道の駅のあとや線路の跡は、地区の歴史を伝える場所として地元の人や訪れる人に親しまれている。