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かもめ道具店(かもめどうぐや)
埼玉県内の市の商店街にある、創業約70年の小さな金物屋。鍋や包丁、釘やネジなど暮らしの道具に加え、丸紐や小物など登山用品も少し置いている。
概要
かもめ道具店は、埼玉県内の市の商店街にある小さな金物屋である。鍋や包丁、ほうき、釘、ネジといった暮らしの道具をひと通りそろえ、棚の一角には登山用品も少し置いている。創業からおよそ70年、まちの日々の暮らしを支えてきた店で、客の用向きに寄り添う接客が親しまれている。間口は二間ほどと広くないが、天井近くまで品が積まれ、奥行きのある店内には「探せば何でも見つかる」という安心感がある。
所在地とアクセス
店は、緑坂銀座商店街の通り沿いにある。商店街は駅から歩いて行ける距離にあり、八百屋や食堂、洋品店などの小さな店が並ぶ。店先には箒やざる、バケツが並び、通りがかりにも金物屋とわかる。近隣には自転車で買い物に来る人も多く、店の前には数台分の駐輪スペースがある。雨の日でも軒先で品を選べるよう、道に張り出した庇が設けられている。営業は朝9時ごろから夕方6時ごろまでで、日曜と祝日の一部は休む。
歴史
創業は昭和30年前後で、商店街がにぎわった時代に、家庭の台所道具や大工道具を売る店として始まった。当時は、かまどや七輪まわりの道具、洗濯用のたらい、竹ぼうきなどがよく売れたという。昭和40年代には町に住宅が増え、鍋や包丁、庭仕事の道具、建具まわりの金具など、扱う品が広がった。店主は代々、客の暮らし向きを聞きながら品ぞろえを整えてきた。平成に入って郊外の大型店が増えたあとも、必要な数だけ買える店として続いている。近年は、休日に近郊の低い山へ出かける人が増えたことから、登山向きの小物も少しずつ置くようになった。
品ぞろえと特徴
中心は生活雑貨である。鍋や包丁、ほうき、ざる、釘やネジ、ちょっとした工具までが、年季の入った棚に整然と並ぶ。ネジや釘は1本から量り売りで買えるため、家の修繕で少しだけ必要な人に重宝されている。包丁研ぎも受け付けており、預けて数日で切れ味が戻る。鍵の複製や網戸の張り替え、鍋の取っ手の交換といった小さな修理の相談にも乗り、店主が実物を見てから直し方を教えてくれることも多い。
登山用品は、店の一角に少しだけ置いている。丈夫な丸紐や靴紐、カラビナ、ヘッドランプの電池、ライター、小さなナイフなど、山へ出かける前にあわててそろえたくなる細かな品が中心で、地元の山へ登る人が手軽に立ち寄れる。大きな登山靴やザックを売る専門店とは違い、「あと一つだけ足りない」ときに間に合う店という位置づけである。靴紐は太さと長さの違うものが数種類あり、予備として二組買っていく客もいる。
接客と利用のしかた
店では、用途を伝えると、店主が棚から合うものを選んでくれる。たとえば「ベランダの手すりに物干しを付けたい」と話せば、金具とネジ、必要なら工具の貸し出しまで案内される。値段は大型店と比べて極端に安いわけではないが、数を絞って買える点と、使い方まで聞ける点が支持されている。支払いは現金が中心で、近年は一部の電子決済にも対応している。
地域とのかかわり
商店街の行事では、店先に出す台や縄、金具を貸すなど、裏方としての役割も担ってきた。学校の工作で使う釘や木材の切れ端を分けたり、近所の高齢の人の電球交換を手伝ったりと、道具を売るだけでなく困りごとの窓口にもなっている。山へ行く人にとっては、出かける前の小さな準備を整える店であり、霧雨の日の夕方に紐を買いに来る人の姿も見られる。まちの暮らしと近場の山歩きを、道具の面からつなぐ存在である。