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室原市(むろはらし)
北海道の南西部、太平洋と内浦湾の境に突き出した半島に開けた市。製鋼と港を軸に発展した「鉄のまち」で、工場夜景や断崖の景勝地でも知られる。
概要
室原市は、北海道の南西部、太平洋と内浦湾の境に突き出した半島を中心に開けた市である。製鋼と港を軸に発展した「鉄のまち」として知られる。人口は約7万2千人、面積は約81平方キロメートル。かつては18万人を超えたが、産業の合理化や周辺の都市への転出で、長く減少が続いている。
地理と所在地
市域は半島と周辺の海岸に広がり、三方を海に囲まれた馬蹄形の地形をしている。市街地は湾に沿って細長く、港に面した工場地帯と、斜面に重なる住宅地が隣り合う。半島の外側には、約14kmにわたって断崖が連なる景勝地があり、先端の岬は灯台とともに市を代表する眺めである。道内の中心都市である札幕市とは鉄道と自動車道で結ばれる。市内は坂が多く、港と高台を結ぶ階段状の道が住宅地の暮らしを特徴づけている。
歴史
1872年に港が開かれ、北海道の開拓を支える物資の積み出し港として歩み始めた。石炭を積み出す港としても発達し、内陸の炭鉱と鉄道で結ばれて、港の周辺に倉庫や商家が集まった。1907年には製鋼会社が創立され、1909年に製鉄事業が始まる。以後、鉄鋼と港湾の産業が市の暮らしを形づくった。1922年に市制を施行した当時の人口は約5万2千人で、戦後の高度成長期には人口がさらに増え、18万人を超える時期を迎えた。のちに産業構造の変化で人口は減っていった。
産業
製造業が基幹産業で、製造品出荷額は道内で第2位を占める。製鋼を中心に、鉄鋼、造船、化学、電力などの大きな工場が臨海部に並ぶ。港は国際拠点港湾に指定され、取扱貨物量は道内で第3位。鉄鉱石や石炭、石油製品などの荷役を通じて、道内の産業を支えている。市の中核企業の一つとして、北洋製鋼が知られる。近年は、設備の更新や環境に配慮した生産への転換、関連する中小の加工業者の育成にも力を入れている。
見どころと観光
近年は、夜に灯りがともる工場群が「工場夜景」として新たな観光資源になった。港や高台の展望所から、煙突と配管が光に浮かぶ景色を眺められ、遊覧船で海から見るツアーも人気がある。断崖の景勝地では、岬の灯台と太平洋の水平線が見渡せ、朝日や夕日を目当てに訪れる人も多い。地元の名物としては、焼き鳥に似た串料理や、カレー味のラーメンなど、工場で働く人の暮らしから生まれた食が親しまれている。
交通と暮らし
鉄道の駅が市の中心部にあり、札幕市方面へは特急と普通列車が走る。自動車道の出入口も市内にあり、道内各地と結ばれる。港からは本州方面へのフェリーが出ており、貨物と旅客の両面で道内外の玄関口となっている。市内には大学や工業系の高校もあり、鉄づくりの技術を学び、地元の産業を担う人材を育ててきた。
地域とのかかわり
製鋼所の操業とともに歩んだ歴史から、市民には「ものづくりのまち」という誇りが根づいている。港まつりや工場の見学会など、産業と暮らしを結びつける行事も続けられ、人口が減るなかで、産業遺産と景観を生かしたまちづくりが進められている。