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土樫市(とかしし)
茨城県南部にある市で、郊外に住宅地と田んぼが広がり、市の南に大きな湖がある。れんこんと梨の産地で、湖の恵みを生かした佃煮でも知られる。
概要
土樫市は、茨城県の南部にある市です。東京からおよそ60km圏内にあり、市の南東部は大きな湖の霞が潟に接しています。郊外には住宅地と田んぼが広がり、湖に近い低地ではれんこんの栽培、台地では果樹の栽培が盛んです。2005年に、旧二つの町が合併して現在の市になりました。通勤・通学で都心方面へ向かう人も多く、農地と住宅地、湖の景色が一つの市の中に並んでいます。
地理
市域は、湖岸の低地、中央の台地、北西の低い山並みの三つに分けられます。湖に面した南東部は水辺の景色が開け、湖岸の低地には水田とれんこん田が続きます。市の中央部には民営の鉄道会社の路線が通り、その沿線に市街地と住宅地がまとまっています。北西部は山地につながる低い山並みで、雑木林や果樹園が点在しています。気候は太平洋側の穏やかなもので、冬は晴れの日が多く、夏は湖から吹く風が暑さをやわらげます。市内には湖へ注ぐ小さな川が何本も流れ、低地の水田を潤しています。
歴史
湖と台地に恵まれたこの地域では、古くから湖の漁と稲作が営まれてきました。湖では、風を受けて網を引く帆引き船による漁が行われ、白い帆を張った船は、この地域を象徴する風景になりました。江戸時代には、湖の水運で米や魚が運ばれ、湖岸の集落に問屋や船着き場が並びました。近代になると鉄道が通り、駅を中心に町ができました。2005年、湖に面した旧町と、鉄道沿いの旧町が合併して、土樫市が発足しました。合併後は、市役所の機能を鉄道沿いの市街地に置き、湖岸の地区には支所を残して、暮らしの窓口を保っています。
産業
農業が市の中心です。れんこんは隣の土浜市とあわせて全国有数の生産量と品質を誇ります。冬の収穫期には、湖岸の田で水圧を使って泥の中から掘り出す作業が見られます。梨は県内で最大級の規模をもつ指定産地で、柿、栗、ぶどう、いちご、ブルーベリーなども育てられています。梨は夏の終わりから秋にかけて収穫され、直売所や贈答用の出荷で県内外へ届きます。湖の恵みを生かした水産加工も行われ、ワカサギや小エビなど小魚の佃煮は県内で最も多く加工されています。このほか、市の北部の工業団地には、機械部品や食品の工場が立地し、市の雇用を支えています。
観光と見どころ
湖に突き出た岬の公園とその近くの観音の寺が、湖畔の名所です。湖の景色を望む市立の水族館もあり、家族連れが訪れます。ゴールデンウィークに開かれる帆引き船の行事では、白い帆を広げた船が湖面に並び、多くの見物客でにぎわいます。湖岸には自転車で走れる道が整えられ、湖を一周する人もいます。春には市街地や堤の桜が咲き、秋には梨や栗の収穫体験が楽しめます。
交通とくらし
中心部には民営の鉄道会社の駅があり、都心方面への通勤の足になっています。国道と高速道路のインターが市内を通り、車での移動も便利です。住宅地には小学校や公園、スーパーがまとまり、郊外では田んぼや畑のそばに戸建ての家が並びます。農産物の直売所や、湖の魚を使った料理を出す食堂も、暮らしの身近にあります。
行事と食
夏には湖畔で花火や盆踊りが開かれ、秋には各地区の神社で例祭が営まれます。冬のれんこんの収穫期には、れんこんを使った天ぷらや煮物、きんぴらなどが食卓に上り、市内の飲食店でも名物として出されます。小魚の佃煮は、ご飯のお供や贈答品として親しまれています。