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東湖精機株式会社(とうこせいきかぶしきがいしゃ)
滋賀県内に本社を置き、隣の市に主力工場を持つ、従業員約300人の産業機械の部品メーカー。プラントや船、ビルの配管に使う弁(バルブ)を中心に、流体を制御する部品を作っている。
概要
東湖精機株式会社は、滋賀県の野須賀市に本社を置く産業機械の部品メーカーである。主力は、配管の中を流れる水・空気・薬液・粉粒体などを止めたり流したりする「弁(バルブ)」で、建築、発電、造船、各種プラントといった幅広い分野の設備に組み込まれている。主力工場は隣の湖谷市にあり、従業員は単体で約260人、海外の子会社を含めたグループ全体で約370人、おおまかには約300人規模の会社として数えられる。社員の平均年齢は43歳ほど、平均勤続は11年余りで、地元で長く働く人が多い。
沿革
起源は1903年、滋賀県の湖東の町で鋸(のこぎり)を切り出して作る小さな製造所として始まったことにさかのぼる。1953年には事業の軸を弁と水栓(コック)に移し、バルブ専門の工場に転換した。1963年5月に株式会社として設立され、同年8月に東京、1967年に大阪へ営業所を開いて、販売の足場を都市部に広げた。
1969年には湖谷市の工業用地に本社と第一工場を移し、1975年に第二工場を増設した。1990年にはマレーシアに、2003年には中国の蘇州に現地の製造・販売会社を設け、アジアの造船所やプラント向けの供給を始めた。1993年に現在の「東湖精機」へ社名を改め、1998年に本社社屋を新築している。
2019年には船舶の排ガス処理に使う弁をつくる新工場を東淡市に完成させ、2020年に野須賀市へ研究開発センターを建てた。同じ年の暮れに株式を上場し、翌2021年2月に本社を研究開発センターのそばの野須賀市へ移した。2024年には東北の仙堂市に出張所を開き、東日本の客先への対応を厚くしている。
事業と製品
売上の約8割を占めるのは、円板状の弁体を回転させて流れを開閉・調節するバタフライバルブである。残りの約2割はナイフゲートバルブで、泥状のものや粉粒体など詰まりやすい流体を扱う。ほかにゴムのチューブをつぶして流れを止めるピンチバルブもあり、素材・口径・駆動方式の組み合わせによる品ぞろえは10万種類を超える。
納入先は空調設備、造船、半導体、石油、化学、鉄鋼、電力、水道、食品など多岐にわたる。超高層ビルの空調配管にも使われ、水の流れを制御する部品として、見えない場所から設備を支えている。注文ごとに仕様を変える受注設計が多いため、設計から鋳造品の加工、組立、検査までを自社の工場で通して行うことを特色としている。
工場と拠点
湖谷市の日野地区にある主力工場には、従業員の半数あまり(約150人)が勤め、加工と組立の大半をここで行う。東淡市の工場は少人数(十数人)で、船舶排ガス用の弁を専門に扱う。野須賀市の研究開発センターでは、環境規制に対応する新製品や、流体の挙動の解析、試験を行っている。海外にはマレーシアに約40人、中国に約70人の現地法人があり、アジア向けの製品の組立と販売を担う。ベトナムと韓国には駐在事務所を置く。
地域とのかかわり
鋸づくりの町工場として始まって以来、滋賀県の湖東・湖南の地で、1世紀を超えて事業を続けてきた。工場は農地と工業団地が混在する地域にあり、地元の高校や技術系の学校から新卒を受け入れてきた。近年は、船の排ガス規制や半導体工場の増設といった需要の変化に合わせて研究開発に力を入れ、地域の機械・金属加工の中核企業の一つとして知られる。