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浜辺精機株式会社(はまべせいきかぶしきがいしゃ)
愛媛県の今浜市に本社を置く舶用機器メーカー。甲板機械とデッキクレーンを、設計から製造、販売、アフターサービスまで一貫して手がけ、従業員は約200人。
概要
浜辺精機株式会社は、愛媛県の今浜市に本社を置く舶用機器メーカーである。船に必ず積まれる甲板機械と、積み荷の上げ下ろしに使うデッキクレーンを、設計から開発、製造、販売、アフターサービスまで一貫して手がけている。従業員は約200人で、資本金は6,000万円。年間の売上高は100億円規模とされる。社是には「独創」「活力」「研鑚」を掲げている。
沿革
昭和30年(1955年)1月に、今浜市の波戸浜地区で、船舶用の鋳造品をつくる鋳造所として創業した。昭和40年に株式会社へ改組し、鋳物づくりの技術をもとに、船の機械そのものを手がける会社へ歩みを進めた。
- 昭和57年(1982年):電動油圧式のデッキクレーンを開発
- 昭和62年(1987年):バケットクレーンを開発
- 平成13年(2001年):インバータ制御の電動式甲板機械を開発
- 平成31年・令和元年(2019年):500トン級のヘビーリフトクレーンを開発
平成27年(2015年)には、高辺地区に建てた本社の社屋が、新しいオフィスづくりを奨励する賞を四国で受けている。創業から七十年近くのあいだ、船の機械という一つの分野を軸に、時代ごとの動力方式の変化に合わせて製品を更新してきた。
事業と製品
主力は甲板機械である。錨を上げ下ろしする揚錨機、岸壁に船をつなぎとめる係船機、荷役に使う揚貨機のほか、各種のウインチ(巻き上げ機)をそろえる。動力は、ディーゼル式、電動式、電動油圧式と時代に合わせて広げてきた。
デッキクレーンは、貨物船の甲板に据えて荷を吊り上げる設備で、2基を組み合わせて使うツインタイプのほか、大型の重量物を扱うヘビーリフトクレーンも製品に加えている。砂や石炭、穀物などのばら積み貨物を扱うバケットクレーンも手がけ、船の種類や積み荷に合わせて仕様を決める受注生産が中心である。
技術と品質
甲板機械は、荒れた海や塩分を含む湿った空気のなかで長く使われるため、頑丈さと信頼性が強く求められる。創業以来の鋳造の技術を生かした部材づくりに加え、インバータ制御による電動式の機械では、巻き上げの速さや荷の揺れを細かく調整できるようにして、操作のしやすさと省エネルギーの両方を高めてきた。設計から製造、試験までを自社で完結させる体制をとり、船の引き渡し後の点検や修理にも応じるアフターサービスを重視している。
所在地と拠点
本社は今浜市の高辺地区にあり、工場は波戸浜地区など市内の臨海部に置かれている。今浜市は造船・海運の集積地で、島々をつなぐ橋の道が通る海沿いの町であり、船主や造船所、同業の舶用機器メーカーが近い距離に集まる。浜辺精機はその中で、造船所に納める機器の供給元として位置づけられている。
地域とのかかわり
従業員約200人の中堅企業として、今浜市の雇用を支えている。造船・海運のまちの産業を、機器の面から下支えする存在であり、地元の造船所との取引を通じて、地域の船づくりの流れの一部を担っている。社屋が地域のオフィスづくりの賞を受けたことは、働く環境への取り組みの例として知られる。