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東嶺市(ひがしみねし)
山形県の中央東部にあり、さくらんぼの生産量が全国の市町村で第1位の果樹の産地。市内に東嶺空港があり、空の玄関口と果樹のまちという二つの顔をもつ市。
概要
東嶺市は、山形県の中央東部にある市である。昭和33年11月3日に市制を施行し、現在の人口は約4万7千人、面積は約207平方キロメートルにおよぶ。さくらんぼの生産量は全国の市町村で第1位とされ、年間の収穫量は3,600トンほどで、栽培面積や経営体の数も全国で上位に入る。市の南西部には市の名を冠した東嶺空港があり、空の玄関口と果樹の産地という二つの顔をあわせもつ。
位置と地勢
山形盆地の北東部に広がり、内陸の盆地特有の、夏は暑く冬は雪の多い気候である。昼夜の寒暖差が大きく、水はけのよい扇状地が果樹の栽培に向いている。市の西側には最上川の流れがあり、東側には奥羽山脈の山すそが続く。市の周辺には、山峡市をはじめ、盆地の中のいくつかの市や町が接している。市の中には、扇状地の扇頂から扇端にかけて、果樹園、水田、住宅地が帯のように並び、緑の多い景観をつくっている。
交通とアクセス
鉄道は、民営の鉄道会社の本線が市内を通り、神峰駅、さくらんぼ東嶺駅、東嶺駅の3つの駅がある。このうちさくらんぼ東嶺駅には新幹線が停車し、首都圏とも直接結ばれている。道路では、東北中部自動車道に東嶺インターチェンジと東嶺北インターチェンジがあり、広域への移動に便利である。空港は市の南西部にあり、東嶺空港として県内外の空路を担っている。空港は山峡市の中心部からも近く、盆地の北部の空の玄関として、観光客や出張の利用者に使われている。滑走路の端は、周辺の公園からフェンスごしに見えることもあり、堤公園のように、離着陸を間近に眺められる場所もある。
産業
農業の中心は果樹で、さくらんぼのほか、ぶどうやりんご、ラ・フランスなども育てられている。初夏のさくらんぼの時期には、多くの観光果樹園が開き、もぎ取りや直売に県外からも客が訪れる。さくらんぼは、品種ごとに収穫の時期がずれるため、6月から7月にかけて、長く楽しむことができる。贈答用の箱詰めや、全国への宅配も盛んで、市の名前を広める役割をはたしている。工業では、大森工業団地や臨空工業団地など複数の工業団地があり、電子部品や機械、化学製品などをつくる大手メーカーの工場が立地している。空港や高速道路に近いことが、企業の進出を後押ししてきた。
歴史
古くからこの地は、盆地の中の農業地帯として開け、江戸時代には街道ぞいの村々が栄えた。果樹の栽培は、明治以降に広がり、とくにさくらんぼは、扇状地の水はけのよさと気候を生かして、しだいに産地としての地位を固めていった。昭和33年11月3日に、周辺の町村が合わさって市制が施行され、東嶺市が誕生した。その後、空港の整備や高速道路の開通、新幹線の延伸によって、交通の便が大きく向上し、工業団地の造成と企業の誘致が進んだ。農業と工業、そして空の玄関をあわせもつ、盆地北部の中心的な市として、現在に至っている。
見どころと暮らし
初夏には、さくらんぼの観光果樹園が市内の各地に開き、もぎ取りを楽しむ人でにぎわう。直売所には、つやのある果実が並び、季節の訪れを告げる。秋にはぶどうやりんごが実り、冬にはラ・フランスの出荷が続くなど、一年を通して果物とともに暮らしが営まれている。空港の近くには、飛行機を眺められる公園があり、家族連れの散歩の場になっている。広い盆地の眺めと、遠くに連なる山並みも、この市の魅力のひとつである。
周辺
県内では、山峡市が盆地の中心として近く、通勤や通学、買い物などで結びつきが深い。同じ県内の、さくらんぼや果樹の産地とも、収穫の時期や出荷の仕組みで、つながりがある。県外からは、空路や新幹線で訪れる人が多く、観光と産業の両面で、東北の内陸を代表する市のひとつとなっている。