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広前市(ひろまえし)
りんごとお城のまちとして知られる、青森県内にある市。陣屋の城下町の面影を残す「こみせ」の通りと、夏のねぷた、つゆ焼きそばでも親しまれている。
概要
広前市は、青森県の津刈地方の南部にある市です。りんごの産地として知られ、江戸時代に藩の陣屋が置かれた城下町の歴史をもっています。人口は約2万9千人で、昭和30年代から40年代にかけては約4万人でしたが、そのあとゆるやかに減ってきました。市域は約217平方キロメートルで、南側は山岳の国立公園の入り口にあたる山地と渓谷です。北側は果樹園と水田が広がる平地で、りんごの木と古い町並みの両方がまちの顔になっています。
所在地とアクセス
青森県の中南部、津刈平野の南の端にあります。市の南には山あいの渓谷と温泉地が続き、北へ下ると平野の果樹地帯に出ます。鉄道は、隣の城下町の弘野市へ向かう私鉄の南津鉄道が市の中心部を通ります。かつては大きな町へ向かう支線もありましたが、すでに廃止されています。道路は自動車道のインターが市内にあり、県内の主要な都市へは車で30分から1時間ほどです。
歴史
江戸時代の前期、津刈の本藩から分かれた支藩の領地となり、市街地に陣屋が置かれて城下町として整えられました。藩の石高は1万石ほどと小さかったものの、町人の商いがさかんで、街道ぞいに商家が並びました。明治以降は町として発展し、昭和29年(1954年)7月1日、周辺の五つの町村が合併して市制を施行しました。のちに農業の近代化とりんごの栽培拡大が進み、県内でも指折りの果樹のまちになりました。
産業と特産
基幹産業はりんごを中心とした果樹栽培で、稲作もあわせて営まれています。秋にはりんごの収穫と出荷が最盛期をむかえ、直売所や観光農園に訪れる人が増えます。名物の「広前つゆ焼きそば」は、太めの平たい麺をソースで焼き、そばつゆをかけて食べる、市内の食堂でおなじみの一品です。ほかに、山あいの工房で作られる木の人形や、りんごを使った菓子やジュースも知られています。
見どころ
市の中心にある仲町には、「こみせ」と呼ばれる庇の長い木造の通路が約200メートル続いています。雪の多い土地で、道をゆく人が雨や雪をしのぐための仕組みで、藩政時代から続く商家の町並みを今に伝えています。市の南部には、秋の紅葉の名所として知られる渓谷があり、川ぞいの散策路が整えられています。その近くには古い湯治場の流れをくむ温泉がいくつもあり、ゆっくり湯につかる旅行者が訪れます。
行事
夏には「広前ねぷたまつり」が開かれ、大きな灯籠の山車が笛や太鼓にあわせて市街を練り歩きます。同じころに、約1か月に及ぶ盆踊りの行事も行われ、地元の人が輪になって踊ります。秋にはりんごの収穫を祝う市のまつりがあり、新しい品種の試食や即売が人気です。冬は雪が深く積もり、こみせの通りに灯りをともす催しが開かれます。
周辺
北東の隣には、城あとの公園の桜とねぷたで知られる 弘野市 があり、私鉄でつながっています。同じりんごの産地として、栽培や出荷の面でも結びつきが強い関係です。南には山あいの渓谷と温泉が続き、自動車道で県都の方面へも出やすいため、観光と暮らしの両方で人が行き来する土地です。