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日浦市(ひうらし)
宮崎県北東部の海沿いにある人口約5万5千人の市。天然の良港をもつ港町で、化学・金属の工業、ヘベスなどの柑橘、断崖の海岸の景色で知られ、大渕川ぞいの浦見地区などに住宅地が広がる。
概要
日浦市は、宮崎県の北東部、沖の灘に面した海沿いの市である。人口は約5万5千人、面積は約337平方キロメートルで、東は海、西は山地に向かって細長く市域が延びる。天然の良港をもつ港町であり、港のまわりには化学や金属の工場が集まる。一方で、岬の断崖や白い砂浜、ヘベスなどの柑橘の畑も市内にあり、工業のまちと自然の景色が同じ市の中に並んでいる。市制は昭和26年4月1日に施行され、その後、山あいの隣町と合併して現在の市域になった。
地理と地区
市内には大渕川が流れ、河口付近は海に近い低地となっている。この川ぞいに、浦見地区をはじめとする住宅地が広がり、川と海の両方に近い暮らしの場になっている。川の左岸には細長い緑地が続き、川原いちょう公園のように、いちょう並木の遊歩道を散歩に使う人も多い。北にはもう一本の大きな川である耳瀬川が流れ、その河口には古い港町の面影を残す美津野の集落がある。海岸は岩の多いリアス式で、湾が入り組み、波の穏やかな港と荒い外海が近い場所にある。気候は温暖で、冬も雪は少ない。
歴史
古くから、入り江の奥は風待ちの港として知られ、美津野は船の出入りと商いで栄えた。伝承では、この地から船出した話が語り継がれ、毎年それを偲ぶ行事も行われる。江戸時代には港が藩の廻船の拠点として使われ、材木や米が積み出された。近代に入ると、豊富な水と港の立地を生かして化学工場や金属の精錬所が建ち、工業都市としての性格が強まった。昭和26年に市制を施行し、平成の合併で山あいの旧町を加えて、海から山までを市域にもつ現在の姿になった。
産業
中心となるのは港湾と臨海の工業である。港は大型船が着岸できる天然の良港で、木材や化学製品、肥料原料などの取り扱いが多い。臨海部には大手化学メーカーの系列工場や金属の精錬所があり、市の雇用を長く支えてきた。農業では、香りの強い小さな柑橘のヘベスが特産で、果汁を魚料理や飲み物に使う。海辺の土地を生かした水産業も営まれ、地元産の貝を使った工芸品づくりも名物の一つになっている。
見どころ
市の北部には、高さ70メートルほどの断崖が続く馬ノ背の海岸があり、柱状に割れた岩肌と青い海の対比で知られる。近くには、岩場の海が十字の形に見える展望地「十字の海」があり、日の出や夕景を見に来る人が多い。白い砂浜のお蔵ヶ浜は、波が穏やかなため海水浴やサーフィンに親しまれ、夏は家族連れでにぎわう。海沿いの温泉施設からは、海を一望しながら湯につかれる。
行事と暮らし
夏には、ひょっとこの面をつけた踊りの連が通りを練り歩く夏祭りが開かれ、市内外の人が集まる。美津野の古い町並みは国の保存地区に選ばれ、白壁や格子の家並みが残る。市内の美容室ではヘアサロン波音のように、住宅街の入口に店を構えるところもあり、暮らしに近い商いが地区ごとに営まれている。
交通
鉄道は、民営の鉄道会社の本線が南北に通り、市内にいくつかの駅がある。道路は、高速道路が平成26年に市内まで延びたことで、県都の方面との移動が大きく便利になった。国道は海ぞいを走り、港と市街地、工場を結ぶ。港からは物資の輸送が行われ、市の物流の拠点になっている。