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北雪精機株式会社(ほapsetsuせいきかぶしきがいしゃ)
湯沼市内に本社と工場を置いていた、電子機器向けの小さな金属部品と樹脂部品を作る精密部品メーカー。金型の設計から精密プレス加工までを自社で行い、音響機器や医療機器、事務機器の部品を手がけた。
概要
北雪精機株式会社は、湯沼市内に本社と工場を置いていた精密部品メーカーである。電子機器に使われる小さな金属部品と樹脂部品を作り、金型の設計・製作から部品の加工までを自社で一貫して行っていた。従業員は45人ほどの小規模な会社で、その過半数を女性が占めていた。資本金は6,000万円。少量の注文から大量の注文まで受けられる柔軟さを強みに、音響機器、医療機器、事務機器の分野の部品を供給した。
沿革
会社は昭和63年(1988年)2月、電機メーカーの協力工場として、町や市の誘致を受けて設立された。同じ年の5月に本社工場が完成し、ラジオ向けの金属部品と、その部品をつくるための金型の製作から事業を始めた。平成2年(1990年)10月にはプレス工場を増設し、生産能力を高めた。平成5年(1993年)11月には医療機器の部品、平成6年(1994年)12月にはプリンターなど事務機器の部品の製作を開始し、取引先の分野を音響から医療、事務機器へと広げていった。のちに、金属部品だけでなく樹脂部品の成形も手がけるようになり、一つの機器に使う部品をまとめて納められる体制を整えた。
事業と技術の特徴
中心となるのは、プレス金型の設計・製作と、精密プレス加工である。扱う材料は、鉄、ブリキ、亜鉛めっき鋼板、ステンレス、アルミ、純銅、リン青銅、真鍮、洋白などの金属に加え、加工の難しい材料にも及んだ。板厚は0.04mmの極薄材から3.2mmまで対応した。
金型は用途に合わせて使い分けた。
- 精密プレス型:極めて薄い板でも寸法を保てる型。
- 簡易順送型:独自の工夫で型の費用と製品の単価を抑えた型。少量生産の注文に向く。
- コンパウンド型:外形の打ち抜きと穴あけを一度に行い、工程を短くできる型。
設計にはCADを使い、ワイヤ放電加工機やマシニングセンターで金型を自社で仕上げた。レベラーフィーダー付きのプレス機では、毎分数百個以上の部品を生産できた。順送型や単発型の機械のほか、自動ロール曲げ機も備え、多品種少量から量産まで一つの工場で対応した。
品質と働きやすさ
品質管理では、自動車部品向けの国際的な品質規格の認証を取得して、取引の幅を広げようとした。また、働きやすい職場づくりにも力を入れ、子育てをしながら働く人を支えるため、敷地内に保育の場を設けていた。この取り組みは国から表彰され、地域の企業の手本として紹介された。短時間勤務や子どもの行事に合わせた休みの取りやすさなどもあり、女性の従業員が長く勤める職場として知られた。
所在地と地域とのかかわり
本社と工場は湯沼市の中にあった。湯沼市は秋田県南部の雪の多い盆地にあり、温泉と酒造り、乾麺で知られる土地である。冬の積雪の中でも、工場は市内の人たちの働き口として長く操業した。地元の高校を卒業した若い人の就職先となり、近隣の市町から通う従業員もいた。誘致によって生まれた会社であったため、市の産業を支える工場の一つとして、地域の雇用と部品づくりの技術を支えてきた。
現在
現在は、本社と工場を置いて操業する会社としては残っておらず、かつて湯沼市内にあった精密部品メーカーとして語られる。