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湯沼市(ゆぬまし)
秋田県の東南の端にある、雪の多い盆地の市。温泉と酒造りと乾麺が名物で、夏の七夕絵あかり祭りでも知られる。
概要
湯沼市は、秋田県の東南の端にある市である。面積は約790平方キロメートルで、県全体の7%近くを占め、人口は約3万6千人。東に奥羽の山並み、西に出羽の山地が迫り、その間に開けた横野盆地の南部に市街地が広がる。特別豪雪地帯に指定された雪の多い土地で、温泉と酒造りと乾麺が名物として知られる。年間に訪れる観光客は約120万人にのぼる。
地理と気候
市の中央を雄物瀬川が北へ流れ、鉄道や主要な道路も、川に沿うように南北に延びている。南や東は山が深く、県境に近い山あいには温泉や渓谷が点在する。
気候は寒暖の差が大きい大陸性で、年間の降雪量は平均でおよそ750センチメートルに達する。冬の最低気温は氷点下18度台まで下がることがあり、除雪は暮らしに欠かせない行政の仕事になっている。一方、夏は盆地らしく暑くなる日も多く、この気温差が米や酒、野菜の味を育てている。
歴史
このあたりは古くから、出羽の国の南の入り口として、街道が通る要地であった。市内の山あいには銀山があり、江戸時代には院原銀山が栄えて、多くの人が集まった。また、小野の里には、都から来た歌の名手の姫にまつわる伝説が残り、今も市の祭りの題材になっている。
昭和の初めから半ばにかけて町村の合併が重なり、平成17年には、湯沼市と、隣の2つの町と1つの村が合併して、現在の市域になった。広い市域のなかに、市街地、田園、山あいの温泉地が並ぶのは、この合併の結果である。
産業と名物
乾麺:名物の稲葉乾麺は、手で細く延ばして干し上げる乾麺で、日本三大うどんの一つに数えられる。つるりとした舌ざわりと細さが特徴で、冷たいまま食べる麺や、温かい汁に入れる麺として、市内の店や家庭で親しまれている。
酒造り:雪どけ水と盆地の米に恵まれ、市内には歴史のある酒蔵が数軒ある。冬の寒さを生かした寒造りで、すっきりとした口当たりの酒が醸される。
温泉:山あいの温泉地には、湯治の宿から観光向けの旅館まで多くの施設がある。雪景色を眺める露天風呂は、冬の楽しみとして知られる。
ものづくり:市内には電子部品などの精密部品をつくる工場もあり、たとえば 北雪精機株式会社 は、市内に本社と工場を置いて金型から精密プレス加工までを手がけていた。
祭りと行事
夏の初めの七夕絵あかり祭りは、市を代表する行事である。美人画などを描いた絵灯籠が、市街地の通りに飾られ、夜には灯がともされて、七夕の飾りとともに町が華やぐ。市内外から多くの人が訪れ、竹飾りや屋台でにぎわう。
冬には、雪を使った小さな祭りが開かれ、雪の中に灯りをともす行事や雪像づくりなどで、長い冬を楽しむ工夫がなされている。
交通とアクセス
市内を南北に鉄道の本線と国道が通り、駅は市街地の玄関口になっている。高速道路のインターも近く、県都や隣県の都市とは車で行き来しやすい。冬は積雪で道路が狭くなるため、路線バスや除雪車の運行が暮らしを支えている。
暮らしと教育
市内には、県立湯沼東高校などの学校があり、広い市域の各地区に小中学校が置かれている。雪かきや屋根の雪おろしは地域ぐるみで行われ、雪とともに暮らす知恵が受け継がれている。
周辺
北には県都の秋嶺市、南と東には隣県の山あいの町が続く。県境の山あいには、鎌山峠 のような歴史ある峠道もあり、街道の要地だった土地柄を伝えている。