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生高市(いくたかし)
奈良県の中西部、奈良盆地の西の端にある人口約7万7千人の市。西に二神山を仰ぐ扇状地に住宅地が広がり、大坂方面へ通う人のベッドタウンとして知られる。
概要
生高市は、奈良県の中西部、奈良盆地の西の端にある市である。人口は約7万7千人、面積は約24平方キロメートルで、人口密度は1平方キロメートルあたり3,000人を超える。西に二神山を仰ぎ、市域はその東のふもとの扇状地に広がる。住宅地の多いまちとして知られ、隣の府に接する立地から、大坂方面へ通勤・通学する人の暮らしの場になってきた。
地理と位置
市の西側には二神山が連なり、市街地はそこから盆地へ向かってゆるやかに下る扇状地にある。西の山すそには、火山の噴出物が削られてできた白っぽい岩肌の景観が残り、県の天然記念物に指定されている「屯鶴嶺」がある。東側は盆地の平地が続き、住宅地、小さな工場、農地が入り混じった風景になっている。山すそには溜め池も多く、古くから水を引いて田を営んできた土地柄がうかがえる。
歴史
古くから、山を越えて大坂方面と奈良盆地を結ぶ道筋にあたり、市内には古代の寺の跡である国指定史跡の尼寺跡が残る。昭和31年(1956年)に4つの村が合併して生高町が発足した。その後、大坂方面の宅地開発が進んで人口が急に増え、昭和45年(1970年)に約2万1千人だった人口は、平成17年(2005年)には約7万1千人になった。平成3年(1991年)10月1日に市制を施行し、県内10番目、全国で660番目の市となった。令和2年(2020年)の約7万8千人をピークに、近年は都心へ戻る動きと若い世代の流出で、人口はゆるやかに減少へ転じている。
交通
市内には民営の鉄道会社の線と、私鉄の二つの線が通る。市の中心にあたる五位野駅から大坂市の鶴ノ橋駅までは、25分以内で行ける。この便のよさが、大坂のベッドタウンとしての発展を支えてきた。道路では、盆地を東西に抜ける国道が市内を通り、山を越えて大坂方面へ向かう車や、盆地の中を行き来する車で朝夕に混み合う。駅の周辺にはバスの乗り場が整えられ、住宅地と駅を結ぶ路線が走っている。
人口と暮らし
昭和後期から平成にかけて、丘の斜面や田畑だった場所に新しい住宅地が次々とつくられた。そのため、子育て世代が多く、小学校や保育園、公園が住宅地ごとにそろっているのが特徴である。一方で、早くから入居が進んだ団地や住宅地では高齢化が進み、買い物や移動の支えが課題になっている。市は、高齢者の見守りや、空き家の活用、若い世代が住み続けられる環境づくりに取り組んでいる。
産業
住宅都市の性格が強いものの、市内には小さな工場も点在し、靴下などの繊維製品づくりが営まれてきた。盆地の平地には、ナシやブドウなどの果樹や野菜の畑も残る。国道沿いには大型の商業施設や飲食店が並び、駅周辺の商店とあわせて、日々の買い物を市内でまかなえるようになっている。
見どころと文化
見どころとしては、二神山のふもとの岩肌の景観や、古代の寺の跡を訪ねる歴史の道が挙げられる。山に登る道は、休日にハイキングを楽しむ人でにぎわい、頂上からは盆地と大坂方面の街並みを見渡せる。市内には図書館や文化施設、運動公園があり、近所の公園ではランニングや散歩をする人の姿が見られる。たとえば、中央公園は住宅地の多いまちにある、近所の人が散歩や運動に使う公園である。
行事と地域のつながり
住宅地ごとの自治会が夏祭りや秋の運動会、防災訓練を開き、新しく移り住んだ人と古くからの住民が顔を合わせる機会になっている。市全体では、春の花見や秋の市民まつりが開かれ、学校や地域の団体の発表の場にもなる。山すその古い集落には、氏神の祭りや田の水にまつわる行事が受け継がれ、新しい住宅地との交流も少しずつ広がっている。