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磯の香水産(いそのかすいさん)

別名: 磯の香、磯の香水産株式会社

浜野市にある水産加工会社で、赤てんやかまぼこなどの練り製品と干物をつくる。1968年創業、従業員は約80人。

所在地島根県浜野市長磯町2043番地7

概要

磯の香水産は、島根県西部の港のまち、浜野市にある水産加工会社である。魚のすり身を使った練り製品と、開いて干した干物の二本柱で、地元の港に揚がる魚を食卓向けの品に仕立てている。1968年の創業で、従業員は約80人。製造のほとんどを自社の工場で行い、市内や県内の鮮魚店、スーパー、土産物店、旅館などへ卸している。

沿革

創業は1968年で、はじめは港のそばの小さな作業場で、近海で獲れた白身魚のすり身を使ったかまぼこやてんぷらを手づくりする店だった。地元では、魚を揚げた「てんぷら」を日常のおかずとして食べる習慣が根づいており、朝に仕込んだ品が昼までに売り切れる日も多かったという。

1970年代には、水揚げの多い時期にあまる魚を無駄にしないため、カレイなどの干物づくりを加えた。冷蔵設備と乾燥機を順に導入して、天候に左右されず安定して干せるようになり、練り製品と干物の両方を通年で出荷する体制ができあがった。2000年代以降は、衛生管理の基準に対応するため、製造ラインの区画を分け、原料の受け入れから出荷までの温度管理を見直している。近年は、老朽化した工場から、市の水産加工団地に近い新しい工場棟へ生産を移す計画を進めてきた。

事業と主な製品

練り製品では、魚のすり身を揚げた赤てん(唐辛子や紅色の調味をきかせた揚げもの)、野菜やごぼうを入れた各種のてんぷら、板付きかまぼこ、ちくわなどをつくる。揚げたてをそのまま売る惣菜向けの品と、日持ちのする包装品の二系統があり、前者は朝のうちに近隣の店へ配送される。

干物では、カレイ、アジ、ノドグロなど、この地方で水揚げされる魚を開いて塩水に漬け、風と低温で乾かす。カレイは一夜干しと、身の締まった本干しの二種類があり、贈答用の化粧箱入りも用意している。ノドグロの干物は脂ののりが強く、焼くと皮がぱりっとして、土産品として人気が高い。

工場とつくり方

工場は、原料の魚をさばいて骨や皮を除く「前処理」、すり身をこねて成形・加熱する「練り製品」、開きにして乾燥させる「干物」の三つの区画に分かれている。すり身は、石臼にかけるように時間をかけて練ることで、弾力のある食感を出す。揚げ油は毎日交換し、温度と時間を記録する。干物は塩分と乾燥時間を魚の大きさごとに調整し、出荷前に金属探知機と目視で検査する。

従業員の多くは地元の人で、製造、包装、配送、事務の各部門に分かれて働いている。繁忙期の年末年始とお盆の前には、短期の働き手を迎える。

販売先と地域とのかかわり

販売は、市内の直売コーナー、県内のスーパー、観光客向けの土産店、旅館や飲食店への業務用が中心である。通信販売では、練り製品と干物の詰め合わせを全国へ送っている。正月前には、おせち用のかまぼこや伊達巻の注文が重なり、工場は夜遅くまで稼働する。

地元の漁協や魚市場と連携して、水揚げの少ない時期でも安定して原料を確保する工夫をしている。また、小中学生の工場見学を受け入れ、すり身から練り製品ができるまでを見せている。港のまちの食文化を次の世代へ伝える会社として、地域の祭りや市の催しにも商品を出している。

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