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鎌山峠(かまやまとうげ)
秋田県と青森県の県境近くの山あいへ抜ける、カーブの多い標高258mの峠道。古くは街道の難所で、いまは広葉樹とスギの林の中を歩ける歴史の道として知られ、秋は紅葉がきれいな場所である。
概要
鎌山峠は、秋田県と青森県の県境に位置する標高258mの峠である。平地の集落から山あいへ抜ける道で、カーブが多く、道の両側には広葉樹と天然のスギが茂る。秋は広葉樹が黄色や茶、赤に色づき、霧雨の日には遠くの山の輪郭がぼやけて、晴れた日とは違う秋の景色になる。
峠の一帯は、国有林の「鎌山峠風致林」として管理され、「やすらぎの森」にも指定されている。かつては北の地方へ向かう旅人が必ず越える場所であり、いまは歴史の道として、散策や森林浴、学校の遠足などに使われている。
所在地とアクセス
峠は、秋田県北部の大立市の北端にあり、県境をはさんで青森県側へ続く。車では、高速道路のインターから大立市側へ約7分、反対側のインターから青森方面へ向かって約20分ほどで着く。
峠の入り口には、峠の名を冠した道の駅があり、歴史の道の遊歩道はここから始まる。道の駅には駐車場と休憩所があり、散策の前後に立ち寄る人が多い。峠道は国道として整備されているが、山あいを縫うため、カーブが続き、下りでは速度を落として走る必要がある。
歴史
鎌山峠は、江戸時代の旧街道の中でも、いちばんの難所といわれた場所である。秋田と津刈の地方を結ぶ道の途中にあり、冬は雪が深く、旅人は苦労して越えた。
江戸時代後半から明治にかけては、各地を巡る紀行家、全国を測量して歩く一行、藩の若い武士、海外から来た女性旅行家など、多くの人がこの峠を通り、旅の記録を残している。明治には、天皇の行幸にあわせて道が整えられ、のちに乗合馬車も通るようになった。こうした経緯から、峠の道は「歴史の道」と呼ばれる。
峠の林は、天然の秋田スギの美林として知られ、全国の三大美林の一つに数えられてきた。平成3年9月28日の台風19号では、243本のスギが倒れる被害を受けた。
見どころと特徴
遊歩道は全長約4.3kmで、歩いて約2時間半かかる。道は歩きやすく整えられ、沿道には11の主要地点がある。
- 天然スギ広場:大きなスギが立ち並ぶ広場。
- 測量隊の記念標:江戸時代の測量の一行が通ったことを伝える標。
- 茶屋峠跡:旅人が休んだ茶屋のあと。
- 一里塚跡:「江戸日本橋から百七十六里」と刻まれている。
- 旧国境の杉跡:かつての国境を示した大きな杉があった場所。
- 御休所、女性旅行家の記念標、行幸碑の跡、乗合馬車開通の記念標、橋のあと、薬師堂。
スギの林と広場の広葉樹が混じるため、季節ごとに表情が変わる。新緑の頃は日ざしが柔らかく、秋は黄色から茶色へ移る広葉樹が道の端に落ち葉を溜める。
行事と利用
歴史の道は、地元の学校の遠足や郷土学習、観光の散策に使われている。ドライブやバイクで峠道を走る人も多く、休日は他の車やバイクが数台前を走ることがあるが、平日の午前は交通が少なく静かである。
秋の紅葉の時期は、落ち葉が濡れて滑りやすくなる。雨や霧雨の日は、路面とカーブの先に気をつけて走りたい。冬は雪が深く、二輪車は走れなくなる。
周辺
峠の南側には大立市の市街地が広がり、北側は青森県へ続く。近くには温泉や、山あいの集落、田畑がある。道の駅では、地元の産品を買うこともできる。
近くにある商店街として北前商店街があり、峠を越えた帰りに、遅い昼食をとる人もいる。