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北町文庫(きたまちぶんこ)

別名: 北町の本屋、北町文庫書店

笛岡市内の駅の近くにある、江戸末期から続く小さな書店。一般書や文具に加え、山梨県にちなんだ本と官報などの政府刊行物の取り扱いにも力を入れている。

概要

北町文庫は、笛岡市内の駅の近くにある小さな書店です。江戸時代の終わりに近い安政の頃に創業したと伝わり、百七十年あまり、町の人に本を届けてきました。店の売り場は広くありませんが、文芸書、実用書、児童書、雑誌、文具をひと通りそろえています。山梨県にちなんだ本のコーナーと、官報や政府刊行物の取り扱いがあることが、店の大きな特徴です。

所在地とアクセス

店は笛岡市内の駅から歩いて行ける距離にあり、通勤や通学の行き帰りに立ち寄る人が多い場所です。駅前の通りから一本入った位置にあり、夕方には仕事帰りの人で棚の前が賑わいます。笛岡市は桃とぶどうの果樹のまちで、温泉郷も抱えています。観光で訪れた人が、旅の途中に地元の本を探して店に入ることもあります。

沿革

創業は安政年間と伝わり、はじめは書物や暦、手習いの用具を扱う商いだったとされます。明治以降は教科書や雑誌を扱うようになり、学校や役所への納品も手がけて、町の本屋として根を張りました。戦後は文庫や新書が広まり、店の名の「文庫」にふさわしく、手に取りやすい本を中心に棚を整えてきました。平成のはじめには、外商部門と店売りを分けて運営する形になり、法人や学校への納品と、一般のお客への販売を並行して行っています。近年は、全国の書店が加わる共通の注文の仕組みにも参加し、店にない本を取り寄せやすくしました。

取り扱いと特徴

売り場の中心は、文庫や新書、単行本、雑誌、学習参考書です。入口近くには、山梨県の歴史や地名、山歩き、果樹栽培、温泉などに関する本をまとめた棚があり、地元の出版社の本や、市内の郷土史の冊子も並びます。文具は、ノートやペン、手帳などの日常で使うものが中心で、新学期や年末の手帳の時期には売り場が広がります。

もう一つの柱が、官報と政府刊行物の販売です。国の機関が出す白書や統計、法令の資料などを、店頭で買えるほか、注文して取り寄せることもできます。会社の総務の担当者や、士業の事務所、役所の職員などが、定期的に買いに訪れます。

事業の広がり

店売りのほかに、官公庁や学校、企業へ書籍や雑誌、事務用品を納める外商の部門と、ほかの書店へ本を届ける卸の部門があります。インターネットの通販にも対応し、自社の販売サイトのほか、大手の通販サイトにも出店しています。店の近くでは、お茶を飲みながら本を選べるように、軽食と飲み物を出す小さなカフェも営んでいます。

地域とのかかわり

長く続く店なので、親子で何代にもわたって通うお客も少なくありません。入学や進級の季節には教科書や参考書を買いに来る人が増え、年の暮れには手帳や暦を求める人で混み合います。雨の日にふらりと立ち寄って、短編集を一冊だけ買って帰る人も多く、日々の暮らしのなかの読書を支える店として親しまれています。店頭では、新刊の紹介や地元にちなんだ本の特集を、手書きの札で案内しています。