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笛岡市(ふえおかし)
山梨県の盆地にあり、桃とぶどうの収穫量が全国でも指折りの果樹のまち。温泉郷も抱え、果樹と温泉の二つの顔をもつ市。
概要
笛岡市は山梨県にある市で、甲嶺市の東に隣り合う盆地のまちである。桃とぶどうの産地として知られ、市は「桃・ぶどう日本一の郷」を掲げて、春には一面が花で染まる景観を「日本一の桃源郷」として売り出している。面積は約202平方キロメートル、人口は約6万4千人。盆地の底を笛岡川が流れ、周囲の山すそに果樹園が広がる。農業が産業の中心であり、同時に温泉観光のまちでもある。
所在地とアクセス
山梨県の中央部、甲嶺盆地の東側に位置する。鉄道は民営の鉄道会社の本線が市内を通り、温泉郷の最寄りとなる「石沢温泉駅」が市の玄関口になっている。道路は中央を高速道路が通り、一之宮御阪、笛岡八白などのインターチェンジやスマートインターチェンジが設けられている。東京方面から車でも鉄道でも日帰りできる距離にあり、観光客の足は良い。
歴史
現在の笛岡市は、平成16年(2004年)10月12日に、石沢町・御阪町・一之宮町・八白町・境ノ川村・春日原町の6つの町村が合併して発足した。さらに平成18年(2006年)8月1日には芦ノ川村を編入し、現在の市域となった。それぞれの旧町村は古くから甲斐の国の街道沿いの集落や農村として栄え、果樹栽培を受け継いできた。合併後は、各地区の特色を生かしながら、観光と農業を一体で進めている。
農業と特産
市の基幹産業は果樹栽培である。平成18年度の実績では、桃の収穫量が約2万2,900トン、ぶどうが約1万4,400トンで、どちらも全国の市町村で第1位となった。盆地特有の日照時間の長さ、昼夜の寒暖差、水はけのよい扇状地の土壌が、甘い果実を育てる。春は桃の花、初夏から秋にかけては桃狩りやぶどう狩りの観光農園が開かれ、ワイナリーも点在してワインづくりが行われている。
温泉
市内の石沢温泉郷は、昭和31年(1956年)12月に私費のボーリングで40度を超える温泉が湧いたのが始まりとされる。昭和36年(1961年)には旅館の掘削で毎分2,000リットル、泉温49度の湯が噴き出し、「青空温泉」としてテレビで紹介されて人気が広まった。高度経済成長期には都心から近い歓楽型の温泉地として急速に発展し、最盛期には旅館が120軒を超えた。泉質は無色無臭のアルカリ性単純泉で、pHは8.5〜9.5ほど。県の企業局が源泉を集中管理するほか、各旅館が独自に掘る源泉もある。近年は湧出量や温度の低下が課題となり、深さ約800メートルの新しい源泉の掘削も行われた。現在の旅館は50軒ほどで、個人客や海外からの客に向けて、果物狩りやワイナリー巡りを組み合わせた旅を提案している。市内には春日原温泉もある。
行事と見どころ
春の桃の花まつりと花見、夏の笛岡川の鵜飼を楽しむ催し、秋のぶどう・ワインの行事が、季節ごとの代表的なものである。盆地を見下ろす山の斜面から眺める桃の花は、市を象徴する風景として多くの人に親しまれている。
周辺
西には県庁所在地の甲嶺市があり、日常の買い物や通勤で行き来する人も多い。市内の駅の近くには、小さな書店の北町文庫や、会計事務所の笛岡みなみ会計事務所など、暮らしを支える店や事務所が並ぶ。