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郡岡市(こおりおかし)
福島県の中央部にある、人口約2万9千人の小さな市。阿武熊川が流れ、工業団地の工場と駅や国道沿いの住宅地がまちを形づくり、街道の分かれ目として栄えた歴史をもつ。
概要
郡岡市は、福島県の中央部にある市です。面積は約88平方キロメートル、人口は約2万9千人で、県内の市の中では面積も人口も最も小さい部類に入ります。市の中央を阿武熊川が南北に流れ、西側は山並みのふもとの丘陵、東側は高原につらなる台地になっています。内陸にありながら、工業団地に大きな工場が並ぶ「ものづくりのまち」であり、駅の周辺と国道沿いには住宅地が広がっています。
所在地とアクセス
福島県のほぼ中ほどに位置し、周辺には県内の大きな市や町、村が隣り合っています。鉄道は、民営の鉄道会社の本線が市内を通り、市の中心の駅と、南寄りの駅の2つが住民の足になっています。道路は、南北に通る自動車道のインターチェンジが市内にあり、東北方面にも関東方面にも出やすいのが強みです。県の西へ、東へ、南へと向かう街道が分かれる場所でもあり、交通の要地としての性格は昔から変わっていません。
歴史
郡岡の地は、江戸時代には街道の分かれ目にある宿場町として知られていました。西へ向かう街道の起点にあたり、東へ抜ける街道もここを通ったため、旅人や荷を運ぶ人でにぎわいました。幕末の戦乱では、この一帯も激しい戦いの舞台となり、その痕跡は今も地域に残っています。
近代以降は、町場の旧郡岡町と、養蚕の盛んな山あいの旧村という、性格の異なる二つの自治体が並び立っていました。2007年1月1日、特例の合併法にもとづいて両者が合併し、新設合併による市として郡岡市が誕生しました。この方式で市になったのは全国で初めての例とされます。
産業
郡岡市の経済の中心は製造業です。市内の工業団地には、電子部品、精密部品、食品、化学製品などの工場が立ち並び、自動車道のインターチェンジが近いことから、製品を運び出しやすい立地として企業を集めてきました。たとえば金属と樹脂の精密部品をつくる北洋精密工業株式会社も、市内の工業団地に工場を置いています。
農業も、阿武熊川の流域の水田を中心に続いており、米づくりのほか、野菜や果樹も育てられています。山あいの旧村の地域には、かつての養蚕や林業の名残をとどめる集落があり、工業団地を中心とする平地とは違う、静かな暮らしの風景が残っています。
暮らしと住宅地
駅の周辺には商店や医院、学校が集まり、そこから国道沿いに住宅地がのびています。市の規模は小さいものの、工場で働く人やその家族が多く暮らすため、新しい住宅地や集合住宅も少なくありません。県内の大きな都市へは電車や車で通いやすく、郡岡市に住みながら市外へ通勤・通学する人も多くいます。
行事と文化
秋には、町内ごとの山車が提灯を灯して市街地を巡る提灯まつりが開かれ、市内外から多くの人が訪れます。夜の通りに連なる提灯の灯りは、宿場町の時代から続く町の記憶を今に伝えるもので、山車の曳き回しは各町内の人びとが力を合わせて担っています。ほかにも、神社の例祭や年明けの行事など、地区ごとの祭りが暮らしの節目になっています。
自然と周辺
阿武熊川の河川敷は、散歩や釣り、季節の花を楽しむ人の憩いの場です。晴れた日には、市の西に連なる山並みが遠くまで見渡せ、四季の移ろいが目に入ります。市の周辺には、県内の中核となる市や、温泉と城下町の歴史をもつまちがあり、日帰りの観光や買い物の行き先にもなっています。