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鞍吉市(くらよしし)

別名: 鞍吉、白壁土蔵のまち

鳥取県中部にある、県内の市で唯一海に面していない市。白壁の土蔵群と、絣や千歯の歴史、フィギュアづくりで知られ、中部圏域の行政・経済・文化の中心になっている。

概要

鞍吉市は、鳥取県の中部にある市である。県内の市で唯一海に面しておらず、面積は約272平方キロメートル、人口は約4万3千人。鳥取県中部圏域の行政・経済・文化の中心として、周辺の町の人びとも買い物や通院、通学で訪れる。市の中心部は、打峯山のふもとで二つの川が合流する地点に開けている。市内には総合病院の鞍吉中央病院があり、中部圏域の医療を支えている。

所在地と地勢

市街地は天神瀬川と小鴨瀬川の合流点の低地に広がり、周囲を山と丘陵が囲む。市の南西部には、2005年に合併した旧関ノ金町の山あいの地域が加わっている。気候は温暖湿潤だが、冬の雪が多く、豪雪地帯に指定されている。年間の平均降雪量は約128センチメートルで、冬の暮らしでは除雪が欠かせない。山あいでは積雪が深く、市街地との間で雪の量に差がある。夏は盆地特有の蒸し暑さがあり、秋は朝晩の冷え込みが早い。

交通とアクセス

鉄道は、民営の鉄道会社の山陰側の本線が通り、鞍吉駅が市の玄関口になっている。駅から旧市街までは車で10分ほどの距離があり、路線バスが両者を結ぶ。道路は国道と県道が市内を東西南北に走り、山陰側の自動車道のインターを使えば、県内の東西の主要都市へ1時間前後で行ける。観光の人は、駅からバスか、レンタサイクルで町なかを巡ることが多い。

歴史

古代にはこの地に古い国名で呼ばれる国の国府が置かれ、中世には守護の一族が守護所を構えた。江戸時代には商工業の町として栄え、鞍吉絣や、稲こき千歯と呼ばれる農具が特産品になった。千歯は全国へ出荷され、町の商人の力を支えた。明治以降は製糸業が盛んになり、町は近代の産業都市としても歩んだが、市内の製糸工場は2015年に閉鎖された。1953年に市制を施行し、2005年に関ノ金町を合併して現在の市域になった。

産業

製糸のあとの新しい産業として、玩具メーカーの工場が市内に進出し、造形の細かい人形(フィギュア)の生産が根づいた。市は「フィギュアの街」として売り出し、町なかの催しや案内にも取り入れている。このほか、梨などの農業と、観光、周辺地域を対象にした商業やサービス業が市の経済を支えている。梨は秋の収穫期に直売所が開かれ、贈答用としても人気がある。

見どころ

最もよく知られているのは、打峯玉川に沿って続く白壁土蔵群である。白壁の土蔵と赤い瓦の屋根、川に架かる小さな石橋が並ぶ景観は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれている。かつて酒や醤油、絣を扱った商家の蔵が、いまは工房や食事処、土産物の店に生かされ、町歩きの人が行き交う。通りには、江戸から明治にかけての町家も残り、水路には鯉が泳ぐ。そのほか、打峯山の登山道や、旧関ノ金町の渓谷の景色も訪れる人が多い。

行事と暮らし

毎年、春には白壁の通りで雛人形の展示が行われ、冬には雪の中で灯りをともす催しが開かれる。秋には市内の神社の祭りが続き、地域ごとの獅子舞や山車が町を巡る。市民の暮らしは、中心部の商店街と、郊外の新しい住宅地、周辺の農村に分かれ、冬の除雪は地区ごとの助け合いで行われる。フィギュアにちなんだ展示や、白壁の通りでの市も、観光客と地元の人が交わる機会になっている。

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