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峡北精機株式会社(きょうほくせいきかぶしきがいしゃ)
韮岡市の工業団地にある従業員約180人の会社で、半導体の製造装置などに使う精密部品の切削加工を手がける。1990年の創業以来、マシニングセンタを中心とする120台を超える加工機で、試作から量産まで請け負っている。
概要
峡北精機株式会社は、韮岡市の工業団地に本社と工場を置く、金属の精密部品の切削加工を専門とする会社である。従業員は約180人。半導体の製造装置、電子部品の実装装置、ボンダー(半導体のチップを基板につなぐ装置)の製造装置などに使う部品を、取引先の装置メーカーから図面を受けて作っている。鉄、アルミニウム、ステンレス(SUS)、真鍮、鋳物など、さまざまな材料を扱う。マシニングセンタによる削り出しを中心に、120台を超える加工機を持ち、手のひらに載る小さな精密部品から、長さ3mを超える大きな部品まで、試作の1個から量産までを受ける。近年の売上高は約20億円、営業利益は約2億5千万円とされる。
沿革
1990年、韮岡市で創業した。地元の機械加工の職人が始めた小さな工場で、当初は装置メーカーから請けた部品の削り出しが中心だった。その後、市内とその周辺に半導体や電子機器の装置メーカーの工場が増えると、それにあわせて加工機を増やし、立形・横形のマシニングセンタや五軸の加工機、門形の大型機をそろえて、扱える部品の大きさと種類を広げていった。創業から30年あまりで、技能の高い職人の技術を社内に蓄えてきた。
2023年8月、後継ぎの問題を抱える中小の製造業の技術を次の世代へ引き継ぐことを目的とした会社のグループに加わった。創業者の子が引き続き代表取締役を務め、社名や社風はそのまま残している。グループに加わってからは「第二の創業期」と位置づけ、グループ内の専門のチームとともに、生産管理のデジタル化や人材の育成、会計や人事などの事務の整備を進めている。
事業と設備
加工の中心はマシニングセンタである。立形のマシニングセンタは複数のメーカーの機械をそろえ、最も大きいものはテーブルの大きさが3,050×2,200mmある。横形のマシニングセンタは最大1,400×1,200mmのテーブルをもち、箱形の部品の多くの面を一度の段取りで削ることができる。五軸の加工機は、斜めの穴や曲面をもつ複雑な形の部品に使う。さらに門形の五面加工機を2台持ち、最大で4,200×4,000mmの範囲を加工できるため、装置のフレームやベースのような大物も社内で仕上げられる。
このほか、NC旋盤を10台、平面研削盤などの研削盤を約10台、ワイヤー放電加工機を備え、旋削や研削、細かな抜き加工も社内で行う。仕上げの工程として、表面を整えるテーブル式のブラスト装置、鉄の部品に黒い酸化膜をつけてさびを防ぐ黒染めの装置、加工で生じたゆがみを直す曲げ矯正機も置いている。
材料の手配から切削加工、表面処理、組立までを一つの窓口でまとめて請け負えることが強みで、取引先は部品ごとに別々の業者へ発注しなくてすむ。
品質と検査
半導体の製造装置の部品は、わずかな寸法のずれが装置の性能に響くため、検査にも力を入れている。三次元測定機を3台備え、穴の位置や面の平らさを細かく測る。このほか、ハンディ型のプローブで測る測定機を5台、画像で寸法を一度に読み取る画像寸法測定器を3台、細かな傷やばりを拡大して確かめるデジタルマイクロスコープを持ち、加工したものを社内で測ってから出荷している。
所在地と地域とのかかわり
本社工場は、韮岡市の果樹畑と住宅がまじる地区に近い工業団地の中にある。市内の駅から車で10分ほどの距離で、従業員の多くは市内や近くの市町から車で通う。韮岡市の工業団地には、精密部品や半導体の関連の工場が集まっており、同社もその一つとして、装置メーカーの近くで短い納期の注文に応える役割を担っている。
地元の高校や専門学校の卒業生を技能職として迎え、先輩の職人のもとで加工機の扱いや図面の読み方を学ばせている。グループに加わってからは、グループの各社との交流や福利厚生の制度のそろえ直しも進め、地元で長く働ける職場づくりに取り組んでいる。