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柾栄精機株式会社(まさえいせいきかぶしきがいしゃ)
小柾市に本社と主力工場を置き、建設機械や農業機械向けの油圧シリンダーとバルブの部品を製造する、1961年創業のメーカー。ピストン形アキュムレータも手がけ、関連会社とあわせて200人あまりが働く。
概要
柾栄精機株式会社は、小柾市に本社と主力工場を置く油圧機器のメーカーである。1961年(昭和36年)5月22日に設立された。建設機械や農業機械に使う油圧シリンダーと、バルブなどの油圧部品、ピストン形のアキュムレータ(油圧を蓄えておく装置)を作り、販売している。資本金は4,000万円、従業員は172人で、2024年度の売上高は約77億円だった。関連会社の柾陽精作株式会社は、ピストンロッドの硬質クロムめっきと、シリンダーの主な部品の加工を受け持つ。2社をあわせると、グループで200人あまりが働いている。
会社は「品質が高く、納期が短い」ことを掲げ、一品ものの特注品から量産品までを手がける。小柾市は、地元ゆかりの建設機械メーカーを中心に機械工業が集まるまちである。柾栄精機は、こうした機械の部品を地元で支える会社の一つに数えられている。
沿革
- 1961年5月: 小柾市で設立。国内で建設機械が急速に広まり始めた時期で、創業してすぐに油圧シリンダーの製造を始めた。
- 1960年代〜1980年代: 油圧ショベル、ブルドーザー、ホイールローダーといった建設機械向けのシリンダーが主力になった。取引先の機種が増えるのにあわせて、内径の大きなシリンダーや長いストロークのシリンダーも作れるように設備を広げた。
- 1990年代〜2000年代: ピストン形のアキュムレータを製品に加えたほか、空圧シリンダーの製造も始めた。農業機械や産業機械など、建設機械以外の取引先も増えた。
- 2005年9月: 関連会社の柾陽精作株式会社を設立した。市内の額野町工業団地に工場を置き、ピストンロッドの硬質クロムめっきと主な部品の加工を、自社のグループの中で行える体制を整えた。
- その後: 品質管理の国際規格ISO 9001の認証を受け、設計から加工、組立、検査までの品質の仕組みを整えた。現在も設備の更新を続け、2024年度には売上高が約77億円になった。
事業と製品
主力は油圧シリンダーである。油圧ショベルのブームやアーム、バケットを動かすシリンダー、ホイールローダーやフォークリフトの持ち上げ用のシリンダー、トラクターなど農業機械の作業機を上げ下げするシリンダーなどを作っている。取引先の図面にもとづく受注生産が中心で、試作の一品ものから月に数千本の量産品まで受ける。
バルブの部品や、油圧回路の圧力を保つピストン形アキュムレータも手がける。アキュムレータは、油圧の脈動を和らげたり、非常時に圧力を補ったりするために、建設機械や産業機械に組み込まれる。ほかに空圧シリンダーも作り、製品の幅を広げている。
生産体制と技術
本社工場では、チューブ(シリンダーの筒)の内面の切削と仕上げ、ピストンやロッドの機械加工、溶接、組立、塗装、検査までを一つの流れで行う。内径の精度と内面のなめらかさは、油漏れや寿命に直結するため、専用の加工機と測定器で管理している。完成したシリンダーは、すべて耐圧試験と作動試験にかけてから出荷する。
ピストンロッドの表面には、摩耗やさびを防ぐために硬質クロムめっきをかける。この工程と主な部品の加工は、柾陽精作株式会社が受け持つ。めっきから組立までをグループの中で行えるため、外部の業者に頼るよりも短い納期で出荷でき、品質の記録も一か所で管理できる。
所在地
本社と主力工場は小柾市内にある。小柾市は石川県南部の日本海沿いにあり、空港と自動車道のインターが近く、2024年3月には新幹線の小柾駅も開業した。製品はトラックで、県内の建設機械メーカーの工場のほか、北陸や中部、関西の取引先へ運ばれる。関連会社の柾陽精作株式会社の工場は、市内の額野町工業団地にある。
地域とのかかわり
柾栄精機は、建設機械を中心とした小柾市の機械工業の裾野を支える部品メーカーの一つである。社員の多くは市内とその周辺から通い、地元の高校や専門学校の卒業生を毎年採用している。工場見学や職場体験を受け入れ、ものづくりの仕事を地域の若い人に伝える取り組みも行っている。60年を超える歴史のなかで、地元の取引先と一緒に機種の移り変わりに対応してきたことが、会社の強みになっている。