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ミナトヤ(みなとや)
日灘市を中心に県南部で4店舗を営む食品スーパー。昭和40年ごろに精肉店として始まり、手づくりの焼肉のたれ「湊屋のたれ」で県内に知られる。
概要
ミナトヤは、県南部の日灘市に店を持つ食品スーパーである。運営するのは株式会社湊屋精肉本店で、市内に4店舗のスーパーを構え、肉・鮮魚・青果・惣菜・日用品をそろえている。もとは精肉店で、いまも売り場の中心は精肉と惣菜にある。スーパーのほかに焼肉のレストランを1店舗持ち、食品の製造・加工の工場も2か所ある。従業員は約200人(195人ほど)で、地域に根ざした中堅の食品小売企業である。
沿革
創業は昭和40年ごろで、日灘市内の小さな精肉店から始まった。当時、店では牛肉を手づくりのたれに漬け込んで売っていた。これが評判になり、「たれだけ売ってほしい」という声が増えた。そこで、ポリ袋に小分けして1袋50円で売り出したのが、のちの「湊屋のたれ」の始まりである。
たれの評判は店の外へも広がった。県の食肉を扱う卸会社の営業担当者が味を見込み、取引先への販売を勧めたことで、はじめは農協の店舗などに置かれるようになった。そこから県内の売り場へ少しずつ広がり、いまは年に約400万本が売れるという。製造工場は拡張を重ね、現在のものは6代目にあたる。
精肉店はやがてスーパーへと業態を広げ、日灘市内に出店を重ねて、現在の4店舗体制になった。令和3年(2021年)には、たれの製造を担う湊屋フーズが、食品スーパー企業のグループの完全子会社となった。グループへの商品供給による相乗効果が期待されている。
事業と特徴
事業の柱は、スーパーマーケット、レストラン、食品製造・加工、商品開発の四つである。スーパー事業では、精肉・鮮魚・青果・惣菜・日用品を扱う。肉と魚の加工や惣菜づくりを自社の工場で行う点が特色で、売り場には、手羽中を揚げた「チキンスタア」や、豆腐と魚のすり身で作る郷土食「天福」など、地元で親しまれる品が並ぶ。
看板商品の「湊屋のたれ」は、リンゴとバナナの果実に、地元で好まれる麦味噌を合わせた甘めの味である。焼肉だけでなく、炒めものや下味にも使われる。ほかにも調味料やドレッシングなど、たれの味をいかした自社商品があり、県内のスーパーでは広く見かける。製造は子会社の湊屋フーズが担っている。
店舗と所在地
店舗はすべて日灘市内にある。駅から歩いて5分ほどの市の中心部には、営業時間が午前9時から午後7時30分ごろまでの店があり、市内の暮らしを支える店として使われている。春と秋に球団のキャンプでにぎわう時期は、買い物客に加えて、観光で訪れた人も立ち寄る。市は杉と漁業で知られる城下町で、地元の魚をはじめ、地場の食材が売り場に並ぶ。
グループには、湊屋牧場と、焼肉を中心にした堀端レストランミナトヤがある。牧場で育てた肉を店で売り、レストランでも出す流れがあり、生産から加工、販売、外食までを一つのグループで手がけている。
地域とのかかわり
ミナトヤは、日灘市の精肉店から出発した店として、地元の人の台所を長く支えてきた。たれを入れた「いつもの」の買い物かごは、地元の家庭の食卓に定着している。惣菜や、肉を使った商品が、地元で食べ継がれてきた味として知られている点も、地域とのかかわりを表している。
また、たれが県内のほかのスーパーにも並ぶことで、県南部の小さな店の味が、県全域に広がっている。地域の畜産や食品づくりと結びつきながら、地元の味を守り、広げていく役割を担っている。