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岡前市(おかまえし)
愛知県の中南部にある人口約38万人の中核市。矢筈川と乙瀬川がつくった平野に開けた、初代将軍の生誕の城をもつ城下町で、八里味噌と自動車部品の工業でも知られる。
概要
岡前市は愛知県の中南部に位置する市で、人口は約38万人、面積は約387平方キロメートルにのぼる。県内では大きな市のひとつで、中核市に指定されている。市内を南北に矢筈川が流れ、東西には乙瀬川が流れて、二つの川が市街地の中心近くで出会う。市域の約6割は森林で、北東の山地には最高峰の本宮嶺(標高789m)がそびえる。川と城下町の歴史に、自動車部品を中心とした工業の顔が重なるまちである。
地理
市域は北東の山あいから南の平野まで広がる。山間部は木々に覆われ、旧額野町の地域をはじめ、谷あいに集落が点在する。中央部は二つの川がつくった平野で、市街地や住宅地、田畑が続く。南部は海に近い平地で、工場や物流の施設が集まっている。矢筈川は古くから舟運と灌漑に使われ、いまは堤防沿いの散歩道や花火の観覧場所としても親しまれている。
歴史
戦国期、この地の城は初代将軍の生誕の地として知られるようになり、のちに譜代の大名が治める城下町として整えられた。街道の宿場もあり、東へ西へ向かう旅人が行き交った。城下の町割りには、いまも敵の侵入を防ぐために道を折り曲げた「曲がり」の名残があり、町名にも当時の職人町や宿場の名が残る。
近代に入ると1916年7月1日に市制を施行し、県内で3番目、全国で67番目の市となった。2003年4月1日に中核市へ移行し、2006年1月1日には北東の額野町を編入して現在の市域になった。
見どころと文化
中心にあるのは、復興された天守をもつ岡前城で、城あとは公園として整えられ、春には桜が咲いて多くの人が訪れる。城を囲む堀や橋、石垣は散歩の道にもなっている。
名産の八里味噌は、豆だけを原料に長い時間をかけて熟成させる濃い色と深いこくの味噌で、城から西へ八里ほど離れた村が名の由来とされる。ほかに、良質な花崗岩を生かした石製品や石工の仕事、火薬づくりの伝統から育った花火も、昔からの地場産業として知られる。夏の花火大会では矢筈川の河原から大輪が上がる。
産業
市域は中京工業地帯に含まれ、自動車関連の大きな工場が集中している。大手メーカーの工場の周りには部品や加工の中小企業が並び、たとえば市内に本社を置く自動車関連部品の専門商社矢筈パーツ商会株式会社のような会社も営まれている。隣の刈野市とともに、愛知県の自動車産業を支える地域のひとつである。農業では山あいの茶や米、平野の野菜づくりが続いている。
交通
鉄道は3路線に16の駅があり、中心の岡前駅は民営の鉄道会社の本線と、私鉄の尾電の駅が近接して、通勤や通学の乗り換えの拠点になっている。道路では、自動車道の岡前インターチェンジが1968年4月24日に開通し、新しい自動車道の岡前東インターチェンジも2016年2月13日に開通した。これにより、東西の都市との行き来が大きく便利になった。
暮らしと行事
川沿いの堤防や城あとの公園は、朝夕の散歩やジョギング、季節の花見の場になっている。春の桜まつり、夏の花火大会、秋の城下の祭りなど、城と川を舞台にした行事が一年を通して開かれ、市の人々のつながりを支えている。