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鯖野市(さばのし)

別名: 鯖野、眼鏡のまち

福井県の中央部にある人口約6万7千人の中規模の市。国産の眼鏡フレームの大部分を作る眼鏡の産地で、漆器や繊維の産業と城下町の歴史も受け継いでいる。

概要

鯖野市(さばのし)は、福井県の中央部にある中規模の市である。人口は約6万7千人、面積は約85平方キロメートル。国産の眼鏡フレームの大部分をこの市で作っており、「眼鏡のまち」として全国に知られている。世界の眼鏡フレームの約2割がこの市でつくられるとも言われ、世界でも指折りの産地に数えられる。眼鏡のほかに、漆器や繊維といった昔からの地場産業も残っている。

地理

県内でも比較的平らな土地に、市街地と住宅地、田んぼが広がる。市の東西は低い山に挟まれ、西側の丘陵には公園や緑地が整えられている。市内を通る鉄道の駅のまわりに商店と事務所が集まり、少し離れた場所に工房や工場が点々と建っている。こうした小さな工房が住宅地に混ざっているのが、この市の眺めの特徴である。

歴史

江戸時代、市の中心部は真辺氏の城下町として栄えた。藩主の居所は城ではなく陣屋で、町の名残として町割りが今も街中に見られる。冬は雪が深く、農家が農閑期にできる副業が長く求められてきた。

明治の終わりごろ、農家の冬の副業として眼鏡の枠づくりが始められたのが、この産地の出発点とされる。大阪や東京から職人を招いて技術を学び、地元の人が少しずつ工程を覚えて広げていった。第二次世界大戦のあと、金属のフレームづくりが本格化し、のちにセルロイドやプラスチック、チタンなど素材の幅も広がった。昭和30年(1955年)には、周辺の7つの町村が合併して現在の市が発足した。

産業

眼鏡

産地の特徴は、一つの会社がすべてを作るのではなく、多くの小さな工房が工程ごとに分担して仕事をする分業の仕組みにある。部品の切り出し、プレス、研磨、メッキ、組み立てなどを近所の工房がそれぞれ受け持ち、完成品に仕上げる。この仕組みがあるため、少量でも高い精度のものを作ることができる。国産フレームの約96%がここで生産されている。

漆器と繊維

眼鏡のほかに、古くから続く漆器づくりがあり、業務用の椀や重箱が全国に出荷される。繊維では、地元で織られてきた縞の綿織物「石野縞」が伝わっている。これらは、眼鏡と並んで市のものづくりを支えている。

見どころ

市内には、眼鏡の歴史と技術を紹介する「眼鏡ミュージアム」がある。眼鏡のつくり方の展示や、昔の眼鏡の収集、体験のコーナーがあり、市外から来る見学者も多い。

西側の丘陵にある公園には、約5万株のツツジが植えられ、日本海側では最大級のツツジの名所とされる。園内の小さな動物園は、レッサーパンダの飼育と繁殖で全国に知られ、家族連れでにぎわう。

交通

市内を鉄道が南北に通り、福居市方面と県南部を結んでいる。道路では、北から南へ走る自動車道のインターが市内にあり、県内外へのアクセスは良い。

教育

産地の担い手を育てる学校として、県立鯖野東高校が市の東側にある。高校のほかにも、職人の技を引き継ぐための講座や実習が、産地の工房と連携して行われている。

地域とのかかわり

眼鏡をはじめとするものづくりの技術を生かして、新しい素材や医療・工業向けの製品に取り組む会社も増えている。市は、産地のブランドを大切にしながら、見学ができる工房や眼鏡を買える店を観光とつなげようとしている。同じ県内の鯖尾市も眼鏡フレームの産地として知られており、近隣のまちとともに県の眼鏡産業を形づくっている。

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