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瀬登鋳工(せとちゅうこう)
瀬登市内にある、昭和8年創業の鋳物の会社。工作機械用や産業機械用、水道バルブ用の鋳鉄品を、単品から量産まで鋳造し、加工も行う従業員約80人の会社。
概要
瀬登鋳工は、瀬登市内に工場を構える、金属の鋳造と加工の会社である。主に鋳鉄を溶かして型に流し込む「鋳物」を手がけ、工作機械用、各種産業機械用、水道バルブ用の部品を作っている。従業員は約80人で、資本金は1,000万円の中小企業である。
焼き物のまちとして知られる瀬登市では、土や火を扱う仕事が古くから根づいており、金属を溶かして形にする当社もその気風の中で育ってきた。小物から大物まで、また1個だけの注文から繰り返しの量産品まで受けられることを強みとしている。
沿革
創業は昭和8年4月。はじめは航空機の部品の鋳造から始まったと伝わる。その後、時代の需要にあわせて、紡織機械の部品、バルブ用の鋳物と取り扱いを移し、現在は工作機械用の鋳物を中心にしている。昭和23年4月に会社として設立され、法人としての歩みを始めた。
平成5年には容量1トンの高周波誘導電気炉を導入した。これを機に溶解の安定と品質の向上が進み、以後も造型設備や砂の処理設備を少しずつ更新して、現在の姿になっている。
事業と製品
主力は、鋳鉄の部品である。ねずみ鋳鉄のFC200・FC250・FC300と、強さと粘りを兼ねた球状黒鉛鋳鉄のFCD450・FCD500・FCD600・FCD700などを、用途に合わせて作り分ける。ほかに、焼き入れを施した品や、発泡スチロールで作った原型を使う鋳造にも対応している。
納める先は、工作機械のベッドやテーブルなどの大きな部品、産業機械の本体まわりの部品、水道の弁(バルブ)の部品などである。形や大きさの異なる注文が多いため、図面や木型の相談から受けつけ、仕上げの機械加工までを窓口一つで引き受けている。
設備と技術
溶解には、1トンの高周波誘導電気炉を用い、球状黒鉛鋳鉄(FCD)を毎日のように生産している。型づくりには、樹脂で砂を固めるフラン造型の設備と静圧造型機を備え、使い終えた砂は砂処理のプラントで再び使えるように整える。
また、大小さまざまな金枠(型を囲む枠)を常備し、倉庫には長年使ってきた木型を保管する広い場所がある。木型は一度作れば繰り返しの注文に使えるため、保管と管理が品質と納期を支えている。
人と職場
職場には20代から50代までの人が集まり、女性や海外から来た技能実習生もいる。鋳物の仕事は、型づくりから注湯、仕上げまで経験が物を言うため、ベテランが若手に手順とこつを伝えることを大切にしている。年齢や経験の幅をなるべく偏らせない人の配置で、技術を次の世代へ受け渡すことを目指している。
環境への取り組み
「鋳物の技術を高め、お客様の信頼に応え続ける」ことを基本の方針としている。令和3年8月には、環境への配慮とSDGsの実行を社内外に宣言した。使用済みの砂の再生利用や、溶解にかかる電力の無駄を減らす工夫など、鋳物づくりにつきものの資源とエネルギーの問題に向き合っている。
地域とのかかわり
瀬登市の工場として、地元の人を雇い、近隣の機械メーカーや部品加工会社と取引を重ねてきた。創業から90年を超える歴史は、市の産業の一端を担ってきた証でもある。窯業を柱としてきた市の中で、金属の鋳物という別の形のものづくりを続け、地域の産業の幅を広げている。