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周北市(しゅうほくし)
瀬戸内海に面した臨海部に化学・製鉄・石油関連の工場がコンビナートをつくる、山口県東部の工業都市。北部には中国山地につながる山あいの農村と盆地が広がる。
概要
周北市は山口県の東部にある市で、人口は約13万人、面積は650km²を超え、県内でも指折りの広さをもつ。南は瀬戸内海に面し、北は中国山地の山並みへ続く。市名は、古い国名で呼ばれた地域の「北部」にあたることに由来する。
海沿いには化学・製鉄・石油関連の大きな工場が並び、製造品の出荷額は県内で第1位。一方、北の山あいには盆地と農村が広がり、同じ市の中に工業地帯と田園の景色が並んでいる。
地理と気候
南部は瀬戸内の温暖な気候で、雪はまれである。臨海部は埋め立てと港の整備によってできた平地で、工場、港、住宅地が帯のように続く。沖合には大小の島があり、市の南の海に浮かんでいる。
北部は山がちで、川沿いの盆地に田畑と集落が点在する。冬は南部と違って雪が積もる日もあり、同じ市でも暮らしの感覚が大きく異なる。
歴史
古くから瀬戸内の港町として人と物が行き交い、城下の町や宿場の町が栄えた。明治以降は、港と鉄道を生かした産業の町へと姿を変える。大正7年(1918年)には、のちに市の化学工業の中心となる 周北ケミカル株式会社 が創業した。
戦前には国の海軍の燃料廠が置かれ、石油を扱う拠点となった。戦後はその跡地や港を足がかりに、石油化学を中心とするコンビナートが発達し、全国有数の工業地帯に育った。
平成15年(2003年)4月、海沿いの2つの市と、北の山あいの2つの町が合併し、現在の周北市が誕生した。工業の市街地と山里が一つの市になったのは、この合併による。
産業
市の産業の柱は重化学工業である。ソーダ製品やセメント、電子材料などの化学製品、製鉄、石油の精製と化学品づくりが、臨海部の広い敷地で営まれている。大手の企業が事業所を構え、関連の部品や設備、運送の会社も市内に多い。
農業は北部の盆地が中心で、梨やぶどうが育てられている。また、地元の御影石は石材として知られ、国の重要な建物にも使われてきた。海ではふぐが親しまれ、日本酒の蔵もあって、食の特産品も豊富である。
交通
市の玄関口は、新幹線が停まる中心駅である。在来線の本線のほか、山あいを通る地方路線があり、市の北と南をつないでいる。高速道路は東西に通る自動車道と、北部を通る自動車道があり、インターチェンジが複数あるため、工場の物流にも市民の移動にも使いやすい。港は原料や製品を運ぶ船でにぎわう。
見どころと文化
夜になると、臨海部のコンビナートが無数の明かりで浮かび上がり、「工場夜景」の名所として知られる。夜景を遺産として認定する取り組みの対象にもなり、船で海から眺めるクルーズも人気がある。
市内には、市立の動物園があり、家族連れでにぎわう。市の中心部に近い山手には、湖を囲む広い公園があり、散策や桜、紅葉を楽しめる。沖の島には、戦争の時代の歴史を伝える記念館があり、平和を考える場として訪れる人が多い。各地区ごとに祭りやイベントが開かれ、秋には神輿や踊りが町を彩る。
教育
高等教育機関として、市の名を冠した公立の大学と、国立の工業高等専門学校がある。工業の町らしく、ものづくりや化学を学ぶ人材を育ててきた。
まとめ
海沿いの工場の煙突と夜景、そして北の山あいの田園。周北市は、この二つの顔をあわせもつ、山口県東部の中心的な工業都市である。