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宝坂農業振興事務所(たからざかのうぎょうしんこうじむしょ)
兵庫県の出先機関で、農家への栽培指導、補助金の事務、現地の巡回など、農業の指導や支援を行う事務所。管理、農政振興、農村整備などの課と、農業改良普及の機能を併せ持ち、都市近郊の農業を支えている。
概要
宝坂農業振興事務所は、兵庫県が地域ごとに置く出先機関の一つで、農業の指導と支援を受け持つ事務所である。農家への栽培指導、補助金の事務、現地の巡回といった日々の仕事のほか、農地や水利の整備、鳥獣による被害への対策なども扱う。所管する区域は宝坂市を含む複数の市と町にまたがり、都市部に近い農地から山あいの集落までが対象となる。県の農林水産部の方針を、現場の農家や市町、農業協同組合へ橋渡しする窓口でもある。
組織と所在
事務所は県の地域庁舎の中に置かれ、複数の課で構成される。管理課は総合調整、庶務、契約、土地改良に関する事務を担当する。農政振興課は農産物と畜産物の生産振興、農地法の施行、食育の推進を扱う。ウメ輪紋病対策課は、この病害の防除と産地の復興にあたる。農村整備課は農業農村整備事業やため池の管理を、里山・森林課は林業の技術指導、鳥獣保護、野生鳥獣の被害対策を受け持つ。このほか、県の農業改良普及の機能が同じ庁舎に置かれ、現場の技術指導を担っている。
主な業務
中心となるのは、まちに近い農業を応援する取り組みの推進と、農産物・畜産物の生産振興である。野菜や果樹、花きや植木などを育てる農家に対し、品種や栽培暦、病害虫の防ぎ方について助言し、必要に応じて圃場を訪ねて生育を確かめる。化学肥料や農薬をできるだけ減らす栽培や、土づくりの指導も行う。
補助金や交付金の事務では、農業機械や施設の導入、農地の集積、災害復旧などの申請を受け付け、審査と現地確認をへて県へ取りまとめる。農地中間管理の仕組みを通じて、耕作を続けにくくなった農地を意欲のある担い手へつなぐ仕事もある。
担い手の育成
新しく農業を始める人や若い農家の確保・育成は、普及の大切な柱である。就農の相談に応じ、研修先や農地の紹介、経営計画づくりを手伝う。市町や農業協同組合が立てる地域農業の振興計画についても、実施を支え、技術面での助言を行う。専門的な課題が生じたときには、県の研究機関や本庁の担当課と連携して解決をはかる。
農村の基盤と森林
農村整備の分野では、水路や農道、圃場の整備のほか、数の多いため池の点検と管理、老朽化した施設の改修を扱う。大雨や地震のあとには被害状況を調べ、災害復旧事業の手続きを進める。里山・森林の分野では、間伐など森林づくりの指導、林業経営への助言、イノシシやシカなど野生鳥獣による農作物被害の防止策を、地域の人々と一緒に考えている。
地域とのかかわり
職員は管内を日常的に巡回し、農家の畑や果樹園、市が開く市民農園などの現場に足を運ぶ。市民農園の近くで農作業の合間に交わされる立ち話の中に、栽培の悩みが持ち込まれることも少なくない。生産者だけでなく、食育の取り組みを通じて学校や消費者とも接点をもち、地元の農産物を知ってもらう活動を広げている。
事務所の職員の中には、県職員の独身寮「若草寮」で暮らす人もいる。農業の指導と支援を通じて、都市に近い土地での農業を次の世代へ引き継ぐことが、この事務所の役割である。