FC2

Field & Community Culture Platform

生活環境データベース » place

宝坂市(たからざかし)

別名: 宝坂

兵庫県の南東部、いわゆる阪神間に位置する住宅都市。歌劇の本拠地と植木・花卉の産地という二つの顔をもち、県の農業関係の出先事務所や県職員の独身寮「若草寮」なども置かれている。

概要

宝坂市は、兵庫県の南東部、いわゆる阪神間に位置する市である。面積は約101.8平方キロメートル、人口は約21万6千人(令和8年8月の推計)で、県内でも有数の住宅都市として知られる。市の木はサザンカとヤマボウシ、市の花はスミレとダリアである。歌劇の本拠地としての顔と、植木・花卉の産地としての顔をあわせもち、そのほか県の農業関係の出先事務所(宝坂農業振興事務所)や、県職員の独身寮「若草寮」なども置かれている。

地理

市内には武古川が流れ、西側は鷹見山を含む山系、北側は長尾の山並みに囲まれている。南部の平地に市街地と住宅地が広がり、北部は山あいの農地と里山が続く。東西に港野市をはじめとする県内の市や町が隣り合い、大都市圏への通勤・通学の人が多く、市民の約2割が通勤先を大都市に置いている。南北で表情が大きく異なり、南は駅を中心とした都市的な暮らし、北は棚田や雑木林が残る田園的な暮らしが営まれている。

歴史

昭和29年4月1日、宝坂町と良元村が合併して市制が施行された。翌昭和30年には長尾村と西谷村を編入し、現在の市域が定まった。昭和30年代から50年代にかけて、鉄道沿線の宅地開発が進んで人口が急に増え、「人口急増都市」と呼ばれた時期がある。人口は令和2年の約22万6千人をピークに緩やかに減り、令和7年には約21万7千人となった。かつては温泉と歌劇を軸にした行楽のまちとして栄え、その後、住宅都市へと性格を移していった。

交通

民営の鉄道会社の線と私鉄の本線・支線が市内を走り、宝坂駅が交通の中心を担っている。市内を東西に国道が貫き、高速道路も2本通っていて、周辺の市や大都市圏へ出やすい。鉄道の駅を軸に、バスが住宅地や山手の集落を結んでいる。駅前には商業施設や文化施設が集まり、通勤時間帯には多くの人が行き交う。

産業と農業

輸送機器の製造や自動車用部品の製造を行う工場が、市内の工業用地に立地している。一方、市の北部や東部では、植木・花卉・果樹の栽培が古くから続き、苗木や庭木、切り花、鉢物などが全国へ出荷されている。市内の植木の産地は江戸時代から続くとされ、園芸のまちとして知られる。農家への栽培指導や補助金の事務、現地の巡回は、県の農業関係の出先機関である宝坂農業振興事務所が担い、市と連携して担い手の育成や鳥獣害対策、市民農園の運営の支援にも取り組んでいる。

文化と暮らし

市内には歌劇の劇場や関連の施設があり、公演の日には全国から観客が訪れる。劇場へ続く花の道は、桜や季節の草花で彩られ、市民の散歩道としても親しまれている。漫画家にゆかりのある記念館や、美術館、図書館などの文化施設もそろい、学校や地域での文化活動がさかんである。市内の小さな広場や市民農園のそばの休憩の場では、畑仕事の合間や近所の立ち話の姿が見られる(いなり広場)。

県の施設と若草寮

宝坂市には、県の農業関係の出先事務所のほか、県職員の独身寮「若草寮」も置かれている。若草寮は、県の職員が入居する独身者向けの寮で、若い職員が単身で赴任する際の住まいとして使われている。県の出先機関が市内にあることから、勤務地に近い暮らしの場を確保する役割を果たしている。

周辺

東には港野市があり、鉄道や道路で結ばれて、通勤・通学・買い物で人の往来が多い。西や北には山あいの町や農村が続き、鷹見山の山並みはハイキングや自然散策の場として親しまれている。市は住宅地としての利便と、里山や農地の緑をあわせもつまちとして、暮らしやすさを大切にしている。