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鶴ヶ原市(つるがはらし)
山形県の日本海側にある、城下町の面影が残る米どころのまち。広い市域に海辺から出羽の霊山までを抱え、冬は雪が深い。庄野銀行の本店がある。
概要
鶴ヶ原市は、山形県の日本海側、庄野地方の南部にある人口約11万人の市である。県内では第2の規模をもつ。市域は約1,300平方キロメートルと東北地方でも屈指の広さで、西は日本海の海岸から、平野の水田地帯、東の月嶺・羽黒嶺・湯殿嶺からなる出羽の霊山まで続く。城下町の面影が残る米どころであり、冬は雪が深い。
地理と気候
市の中心は庄野平野の南部にあり、赤瀬川と最上野川が平野をうるおす。平野の北と東に山地が連なり、西は砂丘と松林を挟んで日本海に面している。年間降水量は2,000mmを超え、豪雪地帯に指定されている。冬は日本海から吹きつける季節風で雪が積もり、最低気温が氷点下10度を下回る日もある。一方、夏は晴れた日が多く、昼夜の寒暖差が米の味を育てる。
歴史
江戸時代、鶴ヶ原は庄野藩の城下町として栄えた。藩主は榊井氏で、城を中心に武家屋敷と町人地が整えられ、藩士の暮らしを支える藩校の教えも根づいた。明治に入ると、藩士たちが原野を切り開いて養蚕と絹織物に取り組み、市の産業の礎となった。1924年に市制を施行し、2005年に周辺の複数の町村と合併して現在の広い市域になった。合併により、海辺の漁村から山あいの集落、霊山の門前町までが一つの市に収まった。
産業
農業の中心は稲作で、つや姫など県の誇る品種が育てられている。夏の枝豆「だだ茶豆」は独特の甘みと香りで知られ、在来の野菜も数多く伝わる。絹織物は、蚕を育てる養蚕から糸、織り、仕上げまでの工程がそろう全国でも珍しい産地として続いている。近年は、都内の私立大学の研究所を核にした先端の生命科学研究と、そこから生まれたバイオ関連の新しい企業が集まり、城下町に新しい顔が加わった。金融では、1878年創業の地方銀行庄野銀行が本店を市内に置き、県内に約70店舗を展開している。
見どころと文化
城あとは公園となり、藩主の庭園や藩主家ゆかりの建物を集めた博物館が、城下町の記憶を伝えている。東の出羽の霊山は古くから山岳信仰の地で、羽黒嶺の杉並木の参道と五重塔、山伏の修行が名高い。海沿いには、クラゲの展示で知られる加茂浦水族館と、湯之浜温泉などの海辺の温泉がある。農村では、数百年続く黒瀬能が神事として演じられ、冬の夜に松明の灯りのもとで舞われる。
食文化
米、枝豆、山菜、きのこ、日本海の魚など、四季の食材が豊かで、庄野の伝統野菜を使った郷土料理も多い。精進料理を受け継ぐ山の宿坊の食事もあり、こうした食の伝統が評価されて、ユネスコの食文化の創造都市に認定されている。
交通と行事
鉄道は民営の鉄道会社の本線が市の中心を通り、高速道路で県内の他の都市や新潟方面と結ばれる。毎年5月には城下の祭りが催され、夏には山の行事と海の花火が、秋には新米と収穫の祭りがまちを彩る。冬の雪まつりと雪の中の寒い時期の味わいも、市の楽しみである。