FC2

Field & Community Culture Platform

生活環境データベース » place

泰野市(やすのし)

別名: 泰野、泰野盆地

神奈川県西部にある人口約16万人の市。北と西を山地、南を丘陵に囲まれた盆地に市街地が広がり、湧き水と山の緑、そばや八重桜の塩漬けで知られる。

概要

泰野市は、神奈川県の西部にある人口約16万人の市です。面積は約103.76平方キロメートルで、市域の約半分を山林が占めています。北と西を山地に、南を丘陵に囲まれた盆地に市街地が広がり、県内で唯一の盆地といわれます。昭和30年1月1日に市制を施行しました。山の緑と豊かな湧き水に恵まれ、自然のそばで暮らせるまちとして親しまれています。

地理と自然

市域は東西約13.6km、南北約12.8kmに広がります。盆地の底は、北の山地から流れ出る中小の川がつくった複合扇状地です。川は大きく分けて三つの水系に属し、それぞれの流域に水田や畑、住宅地が開けています。山地の水は地下にしみこみ、盆地のあちこちで湧き水となって現れます。この湧水群は、国の名水百選に選ばれています。

北側の山地は丹沢の山々につながり、ブナやモミなどの自然林が残ります。標高の高い山では冬に雪がつくこともありますが、盆地の底は内陸にしては温暖で、四季の変化がはっきりしています。市域の約半分を占める山林は、水をたくわえるはたらきをもち、暮らしの水を支えています。

所在地とアクセス

泰野市は神奈川県の西部にあり、東は県内の大きな市である横波市や周辺の市町と接し、西と北は山地をはさんで隣の町と向かい合います。市内には民営の鉄道会社の路線が東西に通り、市の玄関口となる中心駅から、県の東部の都市部まで1時間足らずで結ばれます。また、東西に走る自動車道のインターチェンジが市内にあり、東京方面や西の静岡方面へも車で行き来しやすい位置にあります。山あいの地域へはバスが通じ、登山やハイキングの出発点にもなっています。

歴史

江戸時代の中ごろから、盆地ではたばこの栽培がさかんになり、たばこの取引の地として知られました。近代にはその流れを受けて産業が発展しました。昭和30年1月1日に、2つの町と2つの村が合併して市となり、昭和38年には西の町とも合併して、現在の市域になりました。

戦後は、東京や横波市に通う人が暮らす住宅地として人口が増え、盆地のまわりの丘陵にも新しい住宅地が広がりました。その一方で、湧水や山林を守る取り組みも続けられ、水と緑を生かしたまちづくりが進められてきました。

産業と特産物

農業では、そばの産出額が県内で第1位で、小麦も県内第1位です。八重桜の塩漬けは全国の生産量の約8割を占め、桜茶や桜餅の材料として各地へ出荷されます。農業産出額は約24億7000万円です。市内には工場や大学もあり、住宅都市としての顔ももっています。

盆地の気候と水に恵まれ、野菜や果樹、茶、落花生なども作られています。たばこの栽培で培われた畑の技が、いまも農業の土台になっています。工場は自動車部品や電気機器などを扱うものがあり、市内の暮らしと雇用を支えています。

見どころと行事

盆地の南の丘陵にある山は、年間約50万人が訪れるハイキングの名所です。県立の自然公園も、年間60万人を超える人が訪れ、キャンプや水辺の遊びを楽しめます。市内の湧水地では、名水を汲みに来る人の姿が一年を通して見られます。

春には八重桜の花が盆地を彩り、塩漬けの作業も季節の風物詩になっています。秋にはそばの収穫を祝う催しがあり、新そばを味わえる店に多くの人が訪れます。また、夏から秋にかけては地域ごとの祭りや、山の恵みを生かした市のイベントが開かれ、市内外から人が集まります。

暮らしと地域のつながり

泰野市には、地元の木造住宅を手がける工務店として樫村工務店があり、新築やリフォーム、耐震補強を通じて、まちの住まいを支えています。盆地という地形のため、地域ごとに自治会や祭りのまとまりが強く、湧水や山林の手入れを住民が分担して行う例もあります。山と水に囲まれた暮らしが、市の個性をかたちづくっています。