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八浦広域消防本部(やつうらこういきしょうぼうほんぶ)
熊本県南部の八浦市と氷河町を受け持つ消防本部です。2つの市と町でつくる八浦広域行政事務組合が運営し、消防署2つと分署・出張所を置いて、約250人の職員が消火、救急、救助、予防を担っています。
概要
八浦広域消防本部は、熊本県南部の八浦市と、隣の八浦郡氷河町の消防を受け持つ消防本部です。運営するのは、この2つの市と町でつくる一部事務組合「八浦広域行政事務組合」です。組合は、消防の仕事を共同で行うことを主な目的として設けられました。本部の所在地は八浦市大邑町970番地です。管内の面積は約714平方キロメートルです。内海に面した干拓地の平野、隈野川がつくった平地、九州の山地へ続く山あいの集落までを広く含みます。消防署2つと、分署・出張所に隊を置き、職員は約250人です。管内全体で、火災の消火、救急、救助、火災予防の仕事を担っています。
沿革
組合は1976年(昭和51年)に設立されました。設立時の構成は1市4町3村で、旧八浦市と、まわりの坂森村、千町町、加賀見町、東陽野村、泉野村、竜北野町、宮野原町でした。それまで市町村ごとに分かれていた消防を一つにまとめ、広い区域を一つの本部で受け持つ体制にしました。平成の大合併では、旧八浦市と周りの町村の多くが合わさって新しい八浦市になりました。竜北野町と宮野原町も合わさって氷河町になりました。この結果、構成団体は八浦市と氷河町の2つに減りましたが、消防本部は名前と受け持つ区域を変えずに引き継がれています。その後も、古くなった署所の建て替えや、消防・救急の無線のデジタル化、通信指令の設備の更新を順に進めてきました。
組織と署所
本部には、総務、警防、予防、通信指令を担当する課を置いています。その下にある消防署は、市街地を受け持つ八浦消防署と、平野の北部を受け持つ加賀見消防署の2つです。加賀見消防署の庁舎は、鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)の3階建てです。分署・出張所は、山あいや遠い地区まで早く駆けつけられるように配置されています。主なものは、温泉地区の日名田分署、隈野川沿いの山あいを受け持つ坂森分署、山奥の集落を受け持つ泉野分署、氷河町を受け持つ氷河分署です。署所ごとに、ポンプ車、救急車、水槽車などを配備しています。市街地の署には、はしご車と救助工作車を置いています。職員は、日勤と、24時間交替で勤める隊員に分かれて勤務しています。
業務
119番の通報は本部の通信指令室でまとめて受け、管内の署所に出動を指令します。救急では、救急救命士が乗る救急車を各署に配置しています。市内の中核病院と連携し、重い患者の搬送も行っています。山あいの地区は病院まで遠いため、県の防災ヘリコプターやドクターヘリとの連携も重要です。救助では、交通事故、山での遭難、隈野川や海での水難に対応しています。大雨のときは、浸水した地区から住民を助け出す活動にもあたります。新しく採用された職員は、八浦市の外にある県消防学校で初任の教育を受けてから、現場に配属されます。
予防と防災
予防の担当は、建物の立入検査、消防用設備の点検の指導、危険物の施設の許可と検査を行っています。管内の臨海部には南肥製紙八浦工場などの大きな工場があり、危険物の施設や大規模な建物への指導は大事な仕事です。住宅用火災警報器を付けるよう呼びかけたり、春と秋の火災予防運動で防火の催しを開いたりもしています。地域の消防団とともに、林野火災への備えや、台風・梅雨の大雨に向けた水防の訓練も行います。小学校や事業所に出向いて、応急手当の講習や消火器の使い方の指導もしています。
管内の特徴と地域とのかかわり
管内には、市街地と港、トマトやい草を育てる干拓地の田畑、温泉街、隈野川に沿って続く山あいの集落があり、地区によって災害の起こり方が大きく違います。山あいでは土砂崩れや道路の寸断に備え、平野では高潮や浸水に備える必要があります。過去の大雨では、隈野川流域で大きな被害が出たこともあり、関係機関や消防団との連携を強めてきました。新八浦駅や高速道路のインターチェンジを抱える交通の要所でもあるため、交通事故への対応も多くなっています。