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八浦市(やつうらし)
熊本県南部にある人口約11万4千人の市で、県内第2の都市。海と平野と山あいを持ち、トマト、い草、大きな柑橘の産地で、製紙工場のある港町でもある。
概要
八浦市は、熊本県の中央部の南側にある市である。熊本県南部の中心都市で、人口は約11万4千人(2026年10月の推計)と、県内では熊元市に次いで2番目に多い。面積は約681平方キロメートルである。西の内海に面した干拓地の平野、市の中を流れる隈野川の流域、東に続く九州山地の山あいまで、海・平野・山の3つの地形をひとつの市にもつ。トマト、い草、大きな柑橘の産地として知られ、臨海部の製紙工場と重要港湾の八浦港をもつ港町でもある。
地理
市の中央を流れる隈野川は、日本三大急流のひとつに数えられる川である。川が運んでくる土砂と、潮の満ち引きの差が大きい内海の働きによって、遠浅の干潟ができやすい。そのため、江戸時代の藩政のころから干拓が続けられてきた。新しく開かれた土地(新地)は約4,000ヘクタールにのぼり、いまの市街地と農地の多くがその上にある。東部の山あいには標高1,315mの雁ノ俣山などの山々が連なる。平野部には、九州でいちばん低い山といわれる標高18.7mの白鳥ノ山もある。
歴史
中世には、1334年に山の上に城が築かれ、この地方を治める拠点となった。1588年には河口の中州に城が築かれ、1619年には現在の市街地に八浦城が築かれて城下町が整えられた。城下町と港を核に発展し、1940年9月1日に市制を施行した。2005年8月1日には、隣接する加賀見町、千町町、泉野村、坂森村、東陽野村の2町3村と合併し、山あいの広い地域を含む今の市域になった。消防は隣の八浦郡氷河町と共同で行っており、八浦広域消防本部が市と町の全域を受け持っている。
産業
農業では、干拓地の平野で栽培されるい草が、全国の生産量の約7割を占める日本一の産地である。畳表への加工も盛んに行われている。冬から春に出荷するトマトの大きな産地でもあり、ハウスでの栽培が平野に広がる。直径20cmを超えることもある世界最大級の文旦の仲間の柑橘は、市を代表する特産品として全国に知られている。工業では、臨海部にある南肥製紙八浦工場を中心とするパルプ・紙の産業が柱である。2021年の製造品出荷額は約3,050億円にのぼる。八浦港は、工業の原料や製品の積み出しに加えて、大型のクルーズ船が寄港する港としても使われている。
交通
鉄道では、九州の新幹線が2004年3月13日に部分開業し、新八浦駅が開業した。在来線は、民営の鉄道会社の本線、山あいへ向かう支線、内海沿いを南へ走る第三セクターの鉄道会社の線が市内を通っている。道路は、自動車道の八浦インターとジャンクションがあり、南へ延びる自動車道にも八浦南と日名田のインターがある。そのため、県南部の交通の要地になっている。
見どころと行事
内海沿いの日名田温泉は、600年あまりの歴史をもつ古い温泉地である。16の源泉が集まり、毎時約140トンの湯が湧き出ている。市街地には八浦城の跡があり、石垣とお堀が残る。毎年11月には八浦神社の秋の祭礼が開かれる。笠鉾や亀の姿をした出し物が町を練り歩くこの祭礼は、九州を代表する大きな祭りのひとつに数えられている。秋には「やつうら全国花火競技大会」が隈野川の河川敷で開かれ、毎年数十万人の見物客が集まる。