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古嶺神社(ふるみねじんじゃ)
雄鹿沢市の山あいにある、日本武尊を祀り天狗を使いとする神社。防火と農業の守りとして各地の講に信仰され、「天狗の杜」とも呼ばれる。
概要
古嶺神社(ふるみねじんじゃ)は、雄鹿沢市の山あいにある神社である。主祭神は日本武尊で、天狗はその使いとされる。信者に災難が降りかかると、天狗がすぐに飛んできて災いを取り除いてくれると信じられてきた。願いがかなったときには、お礼として天狗の面や扁額、威儀物が奉納される。境内には天狗の像や飾りが数多く置かれ、「天狗の杜」「天狗の社」の名でも知られている。
歴史
創建の年代ははっきりしないが、神社では「1300年あまり前」の創祀と伝えている。社伝では、藤原隼人という人物が日本武尊の威徳を慕って京都からこの地へ移り、邸内に尊を祀ったのが始まりとされる。隼人は石原を家名とし、のちに代々の神職を務める石原家の祖先になったという。
神仏習合の時代には、日晃修験の道場として栄えた。日晃の山々にあった26の院と80ほどの坊の僧侶は、古嶺ヶ原と呼ばれるこの山中の原で修行をする習わしで、「華供峯」と呼ばれる行は日晃の山に入る前の重要な修行だった。日晃を開いた僧が、男対山に登る前にここで三年間修行したとも伝わる。明治初年の神仏分離で仏具が取り除かれ、日本武尊だけを祭神とする「古嶺神社」と称するようになった。
信仰と古嶺講
信仰の中心は、火災を防ぐことと、農業の繁栄を願うことである。信者は「古嶺講」という団体をつくって参拝する。講は近世に組織されて現在も活動しており、東北から関東・中部にまで広がった。平成15年ごろには約2900を数え、神社は全国の講中の総数をさらに多く見積もっている。講の人々は代表を決めて参拝する代参を行い、地元に古嶺神社の石碑を建てて祀ることも多い。
境内の見どころ
本殿の前には、左右一対の大きな天狗像が据えられている。ほかにも各所に天狗の像や面があり、境内全体が天狗信仰の色に染まっている。奉納された大きな天狗面や扁額が並ぶ光景は、この神社ならではのものである。
境内には日本庭園の「古嶺園」もある。名のある造園家の設計で、池と木々を生かした回遊式の庭となっている。茶屋ではお茶や食事を楽しめ、秋は紅葉の名所として多くの人が訪れる。
参籠と授与品
社務所には「天狗の宿」と呼ばれる大きな宿泊施設があり、泊まって祈願する参籠ができる。祈祷のあとには、神前に供えたものを共に頂く直会に加われる。御朱印は20種類以上あり、天狗を描いた絵柄が人気で、数か月待ちになることもある。
所在地とアクセス
所在地は雄鹿沢市の山あいで、市の中心部から車でおよそ1時間かかる。市街地を抜けて山道を進むと、神社の5キロほど手前に、高さ約24メートルの「一の大鳥居」が立っており、参拝の目印になっている。境内には駐車場がある。
周辺
古嶺神社からは、市の北部にそびえる夕陽岳へ登る登山道がのびている。春のアカヤシオや山頂からの日晃連山の眺めを目当てに、参拝とあわせて山を訪れる人も多い。市内の山々と合わせてめぐる行程も親しまれている。