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夕陽岳(ゆうひだけ)
雄鹿沢市の北部にそびえる、市内で最も高い山(標高1,526m)。日晃連山を望む山頂と、春のアカヤシオなどの花で知られ、古嶺神社から登る登山道がある。
概要
夕陽岳(ゆうひだけ)は、栃木県の雄鹿沢市の北部にある標高1,526メートルの山で、市内で最も高い山です。日晃の南部に連なる山地の一角にあたり、主稜線から少し外れた位置に独立した頂を構えています。山頂からは、北に連なる日晃連山の展望が開けます。春のアカヤシオなどの花と、秋の紅葉で知られ、市内外から登山者が訪れます。
地形・地質
山体は石英斑岩や流紋岩といった岩石からなり、山地の東の端にあたります。近くには地蔵岳(標高1,483メートル)や薬師岳(標高1,420メートル)、行者岳などの峰が連なり、これらと合わせて縦走することもできます。尾根には岩場や急な登り下りが点在し、峰ごとに起伏をくり返す道が続きます。鎖やロープが設けられた箇所もあり、足もとの岩は雨のあとに滑りやすくなります。
歴史
この一帯は、古くから山岳修行の道として歩かれてきました。古嶺神社から古嶺ヶ原を経て、中善寺湖へと向かう「禅頂行者道」の途中に位置し、日晃修験の行者たちが峰々をたどる際の通り道でもありました。古嶺神社はおよそ1,300年前の創建と伝わる古い信仰の場で、日晃の山々を開いた行者が、男対山に登る前にここで修行を重ねたという言い伝えがあります。神社の講の人びとが山に入る風習も、こうした信仰の山の流れの中にあります。
自然
春にはアカヤシオが山を淡い紅色に染め、続いてミツバツツジ、ヤマツツジが咲き継ぎます。稜線沿いには花のトンネルのような区間もあり、花の見ごろは例年4月から5月ごろです。登山者がもっとも多いのも5月で、年間の半数ほどがこの月に集中します。秋には10月ごろを中心に、カエデやミズナラなど広葉樹の紅葉が楽しめます。夏は木陰の多い尾根道が涼しく、冬は標高の高い部分に雪や霜が降りるため、軽アイゼンなどの備えが望まれます。
登山
登山口は古嶺神社のバス停付近にあり、無料の駐車場も利用できます。代表的なモデルコースは、周回でおよそ7時間10分、歩行距離は約18キロメートル、累積の登り標高差は約1,296メートルです。日帰りの行程としては、中級者向けと位置づけられます。コースは複数あり、所要は往復で5時間から7時間半ほどと幅があります。花の季節の休日は登山口の駐車場が早い時間に埋まるため、朝早い出発が勧められます。山中に売店はないので、飲み物と行動食は登山口で用意しておく必要があります。
所在地とアクセス
雄鹿沢市の北部、日晃との境に近い山あいにあります。市の中心部からは離れており、アクセスは古嶺神社方面からの林道・登山道が中心です。公共交通では、神社近くのバス停が起点になります。林道は冬から早春にかけて凍結や積雪で通行しにくくなることがあるので、出かける前に最新の状況を確かめておくと安心です。
周辺
登山の前後には、古嶺神社に参拝する人も多くみられます。神社は日本武尊を祀り、天狗を使いとする古い信仰の場で、「天狗の杜」とも呼ばれ、防火と農業の守りとして各地の講に信仰されています。境内の杉木立の中を歩くと、山の入口にふさわしい静けさがあります。