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発光地の強飯式(はっこうちのごうじきしき)
雄鹿沢市の発光地で毎年1月3日に行われる、山伏と強力が山盛りのごはんを食べるよう迫る正月の行事。国の重要無形民俗文化財で、日晃の倫王寺の強飯式の流れをくむ。
概要
発光地の強飯式は、雄鹿沢市の山あいの集落、発光地で毎年1月3日に行われる民俗行事である。集落の鎮守である妙見社の祭り当番の引き継ぎのあとに営まれ、氏子が扮した山伏と強力(ごうりき)が、新旧の祭り当番をはじめ、地元の代表者や来客に、高く盛った飯を食べるよう強いる。
時を定めて人間界を訪れる神仏を、人々が心を込めた馳走でもてなす習俗に由来する。一度に大量の飯や芋、酒を受け手に勧めることから「強飯」と呼ばれる。日晃の倫王寺に伝わる強飯式と軌を一にし、「日晃責め」の流れをくむ古い形を今に残す行事とされる。平成8年(1996年)12月20日に国の重要無形民俗文化財に指定された。
沿革
地元の伝承では、南北朝時代の延文年間(1356〜1361年ごろ)から続いているという。山伏や強力の姿に日晃修験の名残が色濃く見られ、山岳修行の行者が山中の本尊に供えた物を里の人々に分け与えた故事が、背景にあると考えられている。
日晃の強飯式は、日晃山の開山にさかのぼる由緒をもち、江戸時代にほぼ現在の形になったとされる。発光地の行事は、その古俗を山里で受け継いだものである。祭り当番の受け渡しの儀式という性格をあわせもち、集落の運営と結びついて続けられてきた。現在は発光地強飯式保存会が管理し、集落の人々が毎年準備と進行を担っている。
登場する人々と役
- 山伏:口上を述べる役で、神仏の使いとして集落を訪れる。
- 強力:山伏に従い、受け人に膳を勧める役。
- 新旧の祭り当番:新当番と旧当番が膳の前に座り、引き継ぎの当事者として強飯を受ける。
- 来客・代表者:地元の代表者や来賓、市長なども招かれ、受け人として並ぶ。
式の特徴
- 口上:山伏が口上を述べ、強力が膳を勧める。口上には「酒なら33杯、湯が5杯、強飯75膳がお定まり。一粒、一菜の許しをしないぞ」といった定型の文句がある。
- 高盛飯:木型を使って円錐形に高く盛った飯が、酒や汁とともに膳に供される。
- 受け人の作法:受け人は膳の前で平身低頭し、山盛りの飯を迫られる。強力は、受け人のその年までの行いを、慣わしに従って褒めたりとがめたりしながら、ユーモアを交えて語る。唱え言や独特の足拍子も交えて進む。
- わら製の背負い物:強力が身につける、重さ25キロほどのわら製の背負い物は、毎年集落の人々が作り直す。
- ねらい:共同体の穢れを払い、神仏と人とが食を分かち合うことで、一年の福を招くとされる。また、村人にのぞましい姿を伝える、教え諭しの意味もあわせもつ。
地域とのかかわり
行事は、祭り当番の受け渡しという集落の大切な節目と一体になっている。強力の背負い物づくりから当日の進行まで、住民が分担して担うため、集落の結びつきを確かめる機会にもなっている。受け人をからかう口上は、集落の人々の思いを笑いに包んで伝える役目も果たしてきた。
所在地・見に行くには
行事は雄鹿沢市西部の山間にある発光地の妙見社で、1月3日の午前中(9時ごろから11時半ごろまで)に行われる。市街地の雄鹿沢駅からバスで1時間ほどかかり、冬の山あいなので防寒の備えが要る。雄鹿沢市については雄鹿沢市を参照。