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波多野工務店(はたのこうむてん)
玉波市内の木造住宅を中心に手がける、従業員約12人の工務店。新築、古民家の再生、リフォームや修繕までを一社で請け負う。
概要
波多野工務店は、玉波市内で木造住宅を中心に手がける、従業員約12人の工務店である。「人の手でつくる家」を合言葉に、新築住宅の設計・施工、古民家の再生、リフォームや修繕までを一社で請け負う。熊本県内の温泉と農業のまちである玉波市の暮らしに根ざした、地域密着の小さな建設会社として知られる。
沿革
拠点は、市の南部を通る古い街道沿いの集落にある。街道筋は昔から人と物が行き交った道で、店の周りには古い家並みと田畑が残る。創業以来、大工を中心とした少人数の体制を守り、新築だけでなく、地域の家の手入れや直しを長く引き受けてきた。
近年は、古い家を壊さずに生かしたいという相談が増えている。これを受けて古民家再生が事業の柱のひとつとなり、築年数の古い農家住宅の改修を重ねてきた。代替わりを経た現在も、図面を引く設計担当と現場の大工が日常的に顔を合わせ、施主の要望を現場まで途切れなく伝える体制を保っている。
事業内容
事業は大きく三つに分かれる。
- 新築住宅:暮らし方に合わせたつくりを提案し、人にも自然にもやさしい家を目指す。古材を生かした造作、床に段差をつけたスキップフロア、薪ストーブの設置など、要望に応じて工法を選ぶ。外輪山を望む土地では、居間から景色が見えるように窓と間取りを組み立てるなど、敷地の長所を引き出す設計を得意とする。
- 古民家再生:築100年を超える農家住宅を、現代の暮らしに合うよう改修した実績がある。太い木の柱や梁をそのまま生かし、天井に梁を見せ、壁は土壁に漆喰を仕上げて、昔ながらの美しさと今の快適さを両立させる。断熱や耐震の補強も同時に行い、冬の寒さや地震への不安を和らげる。
- リフォーム・修繕:屋根や水まわりの修理から増改築までを扱う。年間の売上の約6割をリフォームと修繕が占め、「家を建てたあとも付き合う工務店」という姿勢がよく表れている。
家づくりの特徴
構造には地元で育った杉や檜などの木材を中心に使い、木を選ぶ段階から大工が関わる。木材は十分に乾燥させたものを用い、柱と梁を組み上げる軸組工法を基本とする。釘や金物だけに頼らず、継手や仕口といった伝統的な組み方を取り入れる場面も多い。
内装には漆喰や無垢の板材など、自然素材を多く使う。湿気の多い夏と冷え込む冬の両方を考え、風通しと断熱のバランスを図面の段階から検討する。温泉地に近い土地柄から、浴室まわりの湿気対策や、湯の熱を生かした暖房の相談を受けることもある。
体制と所在地
従業員は約12人で、大工、現場監督、設計担当、事務に分かれる。大工は自社で抱え、若い職人の育成にも力を入れている。事務所は街道沿いの集落にあり、打ち合わせは事務所のほか、施主の家や建築予定地でも行う。見積もりから引き渡し後の点検まで、少人数のため担当が変わらず、相談しやすいことが利点である。
地域とのかかわり
市内の農家住宅や商家の改修を通じて、地域の家並みを守る役割を担ってきた。雨漏りや戸の建て付けなど、小さな困りごとにも駆けつける姿勢が、長い付き合いのある客に支持されている。また、同じ市内の事業者である玉波縫製など、地元の会社との取引や協力も自然に続いている。祭りや集落の行事では、会場の設営や補修に職人が手を貸すこともあり、暮らしに近い存在として親しまれている。