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玉波市(たまなみし)

別名: 玉波、玉波温泉のまち

熊本県北部にある、人口約4万5千人の温泉と農業のまち。古くからの湯治場を中心に、田畑と栗の林が広がり、近年は栗菓子でも知られる。

概要

玉波市は、熊本県の北部にある市である。人口は約4万5千人、面積は約300平方キロメートルで、県北のなかでは広い市域をもつ。市内には古くからの温泉街があり、周囲には田んぼと畑、栗の林が広がる。「温泉と農業のまち」として知られ、近年は栗を使った菓子づくりでも名を広げている。

所在地とアクセス

市内には鉄道の駅がない。最寄りの駅は、九州の新幹線が停まる新玉南駅と、在来線の玉南駅で、ここからバスで市内へ入るのが一般的である。市内の公共交通は路線バスが中心で、温泉街の中心部には、バスの発着する乗り場が置かれている。車では、熊元市方面や隣の玉南市方面から、国道や県道で結ばれている。新幹線で熊元駅から新玉南駅まで約9分、そこから市内まではバスと車で移動する。市の北は玉南市に接し、同じ県北の温泉地として観光で結びつきがある。

歴史

市の中心部は、古くから街道沿いの湯治場として栄えてきた。江戸時代には、公衆浴場を中心とする温泉街が整えられ、近隣の人びとが湯治に訪れた。明治から昭和にかけては、芝居小屋が建てられ、温泉と芸能を楽しむ町として人が集まった。2005年には、旧市と、周囲の四つの町が合併して現在の玉波市が発足した。これにより、温泉街のある平地から、山あいの農村までを一つの市域に含むことになった。

温泉と見どころ

玉波温泉は、市の中心部にある無色透明のやわらかい湯で知られる。江戸時代の公衆浴場を復元した「桜の湯」は、木造の建物と大きな湯船をもち、観光客にも地元の人にも使われている。また、大正時代に建てられた芝居小屋「八千代館」は、客席や舞台、花道が往時のまま残り、保存と公演の両方に使われる、市を代表する建物である。温泉街には足湯や土産物の店も並び、湯上がりに歩いて回れる範囲に見どころがまとまっている。

農業と産業

市の周辺部では、稲作を中心に、栗や果樹、野菜の栽培が行われている。とくに栗は、山あいの斜面を利用した栽培が広がり、秋の収穫期には直売所に並ぶ。収穫した栗は、栗きんとんや焼き菓子、渋皮煮などに加工され、温泉土産としても人気がある。市内には木造住宅を手がける工務店の波多野工務店や、縫製工場の玉波縫製もあり、農業と観光のほかに、地場の小さな製造業やものづくりも営まれている。

行事と暮らし

温泉街では、春に桜の下を歩く催しが開かれ、秋には栗の収穫を祝う市が立つ。冬には湯の恵みに感謝する湯まつりが行われ、地元の人と訪れた客が湯を囲んで楽しむ。農村部では、田植えや稲刈りの時期に合わせた地区ごとの祭りが受け継がれ、神社の例祭には家族連れが集まる。市民の暮らしは、温泉の湯と土地の作物に支えられ、観光客を迎える温かさが町の気風になっている。

周辺

隣の玉南市は、同じく温泉を抱える人口約6万人の市で、温泉と米・果樹の農業、歴史ある町並みをあわせもつ。両市は日帰りの観光で一緒に巡られることも多く、旅館の月見野館のような湯治と観光の宿も、この一帯の温泉文化を伝えている。県都の熊元市へは車やバスで出かけやすく、買い物や通院、通学で行き来する人も多い。

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