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氷渚市(ひなぎさし)
富山県北西部、能登半島の付け根で富山湾に面する人口約3万8千人の海沿いの市。定置網漁と冬の寒ぶりで知られる漁港のまちで、一つの郡全体を受け継いだ「一郡一市」の市である。
概要
氷渚市は、富山県の北西部、能登半島の付け根にあたる海沿いの市である。北と西は富山湾に開け、東と南は山地と丘陵に囲まれる。面積は約230平方キロメートル、人口は約3万8千人。定置網漁を中心とする漁業のまちで、冬に水揚げされる「氷渚の寒ぶり」は全国に名が知られている。
地理
市域は、湾に面した海岸の平地と、背後に迫る丘陵、山あいの谷に分かれる。最も高い地点は市内の柴ヶ嶺(標高約513m)である。上荘川、仏生寺川、余川川、阿尾川、宇波川といった短い川が山から湾へ流れ、それぞれの河口に集落と田んぼが開けた。海岸の沖には虻ヶ洲、唐ノ島、仏島などの小さな島々が浮かび、海の向こうには冬の晴れた日、立山の連なる峰々が望める。内陸には、十二潟と呼ばれる潟の湿地も残り、水鳥や水辺の草花が見られる。
歴史
古くから湾岸の漁と、山あいの農の暮らしが営まれてきた土地で、入り江ごとに漁村が栄えた。1952年8月1日に市制を施行し、1954年4月1日には周辺の町村をまとめて編入した。これによって、郡の全域が一つの市になる「一郡一市」の姿となった。以後も、漁業を基盤にしながら、農業と観光を育ててきた。
産業と特産品
中心は氷渚港(第3種漁港)を拠点とする漁業である。湾の地形を生かした定置網漁が盛んで、冬には脂ののった寒ぶりが揚がり、その中でも品質の高いものが「氷渚鰤」「氷渚寒ぶり」としてブランドになっている。水揚げされた魚は、鮮魚のほか、干物や加工品としても出荷される。ほかに、細めの手延べ麺である氷渚うどん、氷渚いわし、氷渚牛が特産として知られる。平野部では稲作、丘陵地では果樹や野菜の栽培も行われる。
交通
鉄道は、民営の鉄道会社の氷渚線が通り、市の中心の氷渚駅を経由して、海沿いを走る。駅から港までは歩ける距離で、冬のぶりの季節には、観光客が列車で訪れる。道路は、国道と能登方面へ向かう自動車道が市内を通じ、隣の黒峰市や砺野市などとも結ばれている。
行事と文化
7月13日と14日には氷渚祇園祭が行われ、町ごとの山車や神輿が市街地を練り歩く。8月の第1土曜日と日曜日には、「ひなぎさまつり」と呼ばれる夏の祭りが開かれ、港の周辺が人でにぎわう。市の中心部の商店街には、市ゆかりの漫画家にちなんだ展示施設があり、通りにはキャラクターの像が並んで、観光客の散策路になっている。県立氷渚高校など学校も市内にあり、地域の学びを担っている。
見どころ
海岸線では、湾越しの立山連峰の眺めが人気で、夕日の景色も美しい。港の近くには、寒ぶりや地魚を出す食事処や、朝に魚を求める人が集まる直売の場がある。島々や岬の景色、温泉施設、山あいの里山歩きもあわせて楽しめる。
近隣のまち
富山県内では、東に山あいの温泉地や港町を抱える黒峰市、内陸の平野には散居の景観が広がる砺野市がある。同じ県の北部の海沿いと比べても、氷渚市は、能登半島に連なる丘陵と湾の入り江が近いことが特徴である。