FC2

Field & Community Culture Platform

生活環境データベース » place

浄泉寺(じょうせんじ)

別名: 浄泉寺さん、郊外のお寺

長波市の郊外にある、浄土宗の小さなお寺。檀家の家々のお墓が本堂の裏手に並び、お盆やお彼岸には墓参りの人が絶えない。

概要

浄泉寺(じょうせんじ)は、滋賀県の長波市の郊外にある浄土宗の小さな寺である。山号をもたない地域の檀家寺で、檀家はおよそ60軒。住職は代々、家族とともに境内の庫裏に暮らしている。派手な観光寺ではなく、土地の家々が先祖の墓を預け、法事や墓参りのたびに訪れる「家のお墓のお寺」として続いてきた。

所在地とアクセス

長波市の市街地から車で15分ほど、田んぼと集落が混ざる郊外の緩やかな斜面にある。最寄りの駅からは距離があり、墓参りには自家用車で来る人が多い。境内の入口脇に10台ほどが停められる砂利の駐車場がある。参道は短く、石の門柱をくぐるとすぐ正面に本堂が見える。周囲は畑と防風の竹林で、夏は蝉の声、冬は湖から吹く風の音がよく聞こえる静かな場所である。

歴史

創建は江戸時代前期とされ、城下町の町割りが整えられた頃に、近郊の農家の菩提寺として開かれたと伝わる。本堂は一度、明治の中ごろに屋根を葺き替え、昭和の終わりに瓦をふき直した。梵鐘は戦時中に供出されたと伝えられ、現在の鐘は戦後に檀家の寄進で据え直されたものである。過去帳には、地域の家々の名と没年が江戸中期から途切れずに記されており、集落の暮らしの記録としても大切にされている。

境内の見どころ

本堂は間口の小さな瓦葺きで、内陣には阿弥陀如来像を安置する。境内には樹齢の古い柿の木とモミジが数本あり、秋には本堂の屋根に朱色の葉が散る。本堂の裏手の緩い斜面が墓地で、家ごとの墓石が列をなして並び、古いものには「先祖代々」の文字や、江戸時代の年号を刻んだ石も混じる。墓地の入口には共同の水場と桶、柄杓、線香を立てる香炉が備えられ、檀家が当番で手入れしている。

年中行事

一年のうちでもっとも人が集まるのは、お盆とお彼岸である。8月のお盆には、家々が朝のうちに墓掃除をして花を供え、住職に棚経をあげてもらったあと、本堂で合同の法要が営まれる。春と秋のお彼岸にも彼岸会があり、お経のあとに住職の短い法話がある。このほか、正月の初参り、年末の大掃除と除夜の鐘の準備が檀家の役目で、若い世代も手伝いに加わる。

法事と地域とのかかわり

三回忌や七回忌などの年忌法要は、本堂で営まれることが多い。法要のあとの会食には、市内の仕出しと弁当の店山路屋などから料理を取り寄せる家が多く、本堂の隣の座敷が席になる。墓の管理は各家が行うが、墓地全体の草取りや落ち葉掃きは年に数回、檀家が持ち回りで集まって行う。そうした作業の合間に交わされる世間話が、集落の人どうしの付き合いを保つ場にもなっている。

周辺

寺のまわりは稲作の田んぼで、季節ごとに水を張った風景や黄金色の稲穂が見られる。墓参りの帰りに近くの直売所に寄り、野菜を買って帰る人もいる。長波市の中心部には城下町の歴史を伝える町並みがあり、市街地まで足を延ばせば、古い芝居小屋のみくに座などもある。浄泉寺はそうした町の賑わいから少し離れて、先祖と静かに向き合うための場所として、いまも地域の暮らしに根づいている。

PR 人気の商品(広告)

Supported by 楽天ウェブサービス