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長波市(ながなみし)
滋賀県の中央部、青波湖の東岸にある市。天下人の甥が築いた山城の城下町を起こりとし、湖東から来た商人のまちとして栄え、堀ぞいの町並みが今も残る。
概要
長波市は、滋賀県の中央部、青波湖の東岸に位置する市です。面積は約177平方キロメートル、人口は約8万人。湖に面した城下町として開かれた歴史の古いまちで、城下の碁盤目の町割りと堀ぞいの白壁の町並みを今に伝えています。市の西には湖に浮かぶ島々や内湖が広がり、東には田園と山並みが続きます。
地理と交通
市域は青波湖の岸から東の平野、山のふもとまで広がり、湖岸にはヨシの茂る内湖「西之湖」があります。湖の沖には、湖で最大の有人島である沖津島があり、漁業を営む人びとが暮らしています。
鉄道は民営の鉄道会社の本線が市内を通り、長波駅が市の玄関口です。駅前にはバスの乗り場があり、ひかり駅前のバス停をはじめ、市内や湖岸へ向かう路線が発着します。駅からは、私鉄の支線も東へ延びています。
歴史
長波のまちの起こりは、1585年に天下人の甥が山の上に城を築き、ふもとに城下町をつくったことにあります。城下は碁盤目状に区画され、湖と結ぶ水路として長波堀が掘られました。この堀によって湖の船が城下まで入れるようになり、人と物が集まる商いのまちとなりました。
城は短い期間で廃されましたが、まちは商業の都市として残り、江戸時代には湖東から来た商人の本拠のひとつとして、全国へ商いに出る人びとを送り出しました。
近代には、外国人建築家が市内で教育や医療、住宅の建物を数多く手がけ、洋館が点在するようになりました。2010年3月には、東隣の安津町と合併して、現在の市域になっています。
見どころと町並み
長波堀の両岸には石積みの護岸と白壁の蔵が並び、新町通りや永原町通りには商家の古い家並みが続きます。この一帯は国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれています。堀は時代劇の撮影にもたびたび使われ、遊覧の和船も運航されています。
旧安津町の側には、国の特別史跡に指定された安津城跡と、山城の観音山城跡があります。湖の岸近くの山には、西国三十三所の札所として知られる長生院があり、急な石段を登って参る人が絶えません。
行事と文化
3月には、市の北部の火祭り、左義長まつりが行われます。大きな山車に似た飾りものを担ぎ、夜に火をかけて燃やす勇壮な祭りです。4月中旬には長波まつりがあり、華やかな山車や松明が町を巡ります。5月の初めには篠野の花火が上がり、夏には湖畔で人力飛行機の競技会も催されます。
まちには、古くからの小さな芝居小屋みくに座が残り、町内の行事や法事に使われる仕出しの店山路屋、郊外の小さな寺浄泉寺など、暮らしに根づいた場所が点在しています。
産業
商人のまちの流れをくみ、菓子づくりの老舗や、医薬品・化粧品の会社が市内に本拠を置いています。洋菓子のバウムクーヘンは、市を代表する土産として知られます。そのほか、湖の漁業、近郊の野菜や米づくり、牛肉の産地としても親しまれています。
周辺
同じ県内の湖岸には、国宝の天守をもつ彦峰市や、織物のまち長浦市があり、湖を囲む城下町のひとつとして、観光でも結びつきがあります。