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鍛冶屋の湯(かじやのゆ)
広洲市の住宅地にある、昔ながらの町の銭湯。夕方からのれんが出て夜まで営業し、電気風呂やサウナを備え、近所の人の毎日の湯になっている。
概要
鍛冶屋の湯は、広島県の県都、広洲市の住宅地にある、昔ながらの町の銭湯である。自宅に風呂のある家が増えた現在も、のれんをくぐる常連が絶えず、仕事帰りの人や近所の高齢の人、子ども連れの家族の毎日の湯になっている。夕方になるとのれんが出て、夜まで営業する。派手な看板や大きな設備はないが、清潔な浴場と、番台に座る人の気さくな応対で知られる。
所在地とアクセス
広洲市の市電の停留場の前にあり、電車を降りてすぐの場所にのれんが見える。周囲は戸建てと小さな商店、集合住宅が混ざる古くからの住宅地で、歩いて通う人がほとんどである。自転車を置く場所は店の脇にわずかにあるだけなので、遠くから来る人は電車を使うのが便利である。県都にありながら、観光客より地元の人の利用が多い。通りには八百屋や総菜店、薬局が並び、風呂の帰りに買い物を済ませていく人の姿もよく見られる。
営業時間と料金
営業は午後2時ごろから夜11時ごろまでで、開店の15分ほど前から入浴できる。月に3回、4日・14日・24日が定休日で、祝日に当たる場合は営業する。入浴料は大人500円、小学生200円で、県が定める統制額にもとづく。サウナは100円の追加で利用できる。シャンプーや石けんは店頭で売られており、タオルを持たずに来ても入れる。回数券や、高齢の人向けの割引が使える日もあり、毎日通う人の負担を軽くしている。
浴場の設備
浴場には広い主浴槽のほか、電気風呂、ジェット(ハイドロ)風呂、水風呂、サウナがそろう。洗い場は約30か所あり、混み合う時間帯でも順番を待たずに座れることが多い。曜日によっては薬湯が立つ日があり、その日を目当てに通う人もいる。サウナは100度を超える高めの温度で、水風呂は16〜17度ほどと冷たく、サウナ好きの若い人にも好まれている。壁には富士山ではなく地元の島の景色を描いたタイル絵が残り、高い天井からは湯気が立ちのぼって、昔ながらの銭湯らしい雰囲気をつくっている。脱衣所には木の棚と籐のかご、体重計、マッサージ機が置かれ、湯上がりに腰かけて涼む長椅子もある。
沿革
創業は昭和の中ごろにさかのぼるとされ、かつては鍛冶屋が並ぶ通りの職人たちが仕事の汗を流す場所として栄えたという。屋号の「鍛冶屋」はそのなごりである。高度経済成長のころには、内風呂のない家が多かったため、夕方になると入口に長い列ができた。その後、家庭に風呂が普及して銭湯の数は減ったが、代々の経営者が浴場の掃除と設備の手入れを続け、ボイラーや配管を少しずつ入れ替えながら営業を守ってきた。のれんと煙突は、いまも町の目印になっている。
利用のしかたと地域とのかかわり
夕方の開店直後は、仕事を終えた人や高齢の人が多く、夜が深まるにつれて学生や夜勤前の人が増える。冬至にはゆず湯、端午の節句には菖蒲湯が立ち、季節の行事として親しまれている。脱衣所の掲示板には、町内会の知らせや防災訓練の案内が貼られ、湯上がりの立ち話が近所のつながりを保つ役目も果たしている。体の不自由な人や一人暮らしの高齢者が毎日顔を出すことで、さりげない見守りの場にもなっている。仕事帰りに寄る人が肩や腰のこりをほぐす場所としても重宝されており、夕暮れにのれんが出ると、今日も風呂に行こうと足を向ける人が絶えない。