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鴨崎神社(かもさきじんじゃ)
富山県内の黒峰市の高台にある、75段の石段の上に鎮まる神社。養老元年(717年)の創建と伝わり、縁結びの夫婦神を祀る。木々に囲まれた静かな境内と、初夏の例祭で知られる。
概要
鴨崎神社は、富山県内の黒峰市にある、石段の上の神社です。町なかの高台の端に鎮まり、通りから見上げると、木々の緑の中に参道の石段がまっすぐ延びています。境内は広くはありませんが、古い杉と桜に囲まれ、足を踏み入れると町の物音が遠のくような静けさがあります。古くから地域の人に「鴨崎さん」と呼ばれ、日々の散歩や願かけ、初詣や節目のお参りの場として親しまれています。
所在地とアクセス
神社は黒峰市の高台の住宅地のはずれにあります。最寄りの鉄道駅からは歩いて25分ほどで、坂道をのぼって向かいます。自動車の場合は、高速道路のインターから約9kmです。参拝者用の無料駐車場が10台分ほどあり、石段の下の広場から境内へ入ります。近くには古い国分寺の跡と伝わる薬師堂が、南東へ約500mの場所にあります。
歴史
社伝によれば、養老元年(717年)に、能登の古い大社の分霊を迎えて創建されたと伝えられます。境内の丘には、古い国の総社の跡と伝わる碑が立ちます。総社とは、国司が国内の神社を一つずつ巡拝する手間を省くため、国の役所の近くに主な神々を集めて祀った社のことです。奈良時代に任地へ赴いた国司の歌人も、この神を厚く敬ったと伝わります。
延喜式の神名帳には、国から幣を受ける小社として名が見えます。のちの戦乱で社殿は二度にわたり焼失しましたが、藩主が社殿を修復して信仰は守られました。現在の本殿は永禄年間(1558〜1570年)に再建されたものとされ、国の重要文化財に指定されています。
境内と見どころ
境内の入り口には、75段の急な石段があります。一段ごとに高さがあり、雨の日には苔が濡れて滑りやすいので、足もとを見ながらゆっくり上がる人が多いです。登りきると、木々に囲まれた参道が本殿へ続きます。
春には境内の桜が咲き、散ったあとには新しい葉が芽吹いて、季節の移り変わりが分かります。秋には、石段の脇の木々が色づきます。丘の上からは、黒峰市の町並みと、遠くの山並みを見渡せます。
祭神は、大きな国づくりの神とその妻神の、夫婦神です。このため縁結びと夫婦円満の神として知られ、結婚の報告や安産、家内安全の祈願に訪れる人も多くいます。
行事と利用
毎年5月中旬には例大祭が行われ、町の名物の行事として広く知られます。昼間は、各町内の花山車6基が、そろいの法被を着た若衆に引かれて町を回ります。夜になると、山車は提灯に灯がともり、町の通りを神社のふもとへ向かいます。
正月の初詣のほか、七五三や厄除け、安全祈願など、一年を通じて地元の人の参拝が絶えません。早朝や夕方には、散歩の途中に石段をのぼり、手を合わせていく人の姿もあります。
周辺
神社の近くには、古い国分寺の跡と伝わる薬師堂や、地域の気象の資料を展示する小さな資料館、歴史ある大きな寺があり、歴史を訪ね歩く散策のコースにもなっています。高台の上から港のほうへ下る道は、古い家並みと坂が続き、石段の参拝とあわせて歩くのに向いています。