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潮見の堤(しおみのつつみ)
長崎県内の湾の奥、干潟に沿って延びる堤防。干潮のころにはシギ・チドリ類などの水鳥が泥の上で餌をとる姿を、堤の上から観察できる。
概要
潮見の堤は、長崎県内の湾の奥に広がる干潟に沿って延びる堤防である。満ち引きの差が大きい内海に面しており、潮が引くと沖まで泥の干潟が現れる。干潮のころには、シギ・チドリ類をはじめとする水鳥が干潟に降りて餌をとる姿を、堤の上から間近に眺められる。堤の上には道路が通り、散歩や野鳥観察、ドライブの途中に立ち寄る人が絶えない。
所在地とアクセス
長崎県の湾をはさむ二つの町を結ぶ形で、堤は全長およそ7〜8kmにわたって続く。道路としての区間は約8kmで、湾の東西を結ぶ近道にもなっている。県庁方面からは、高速道路のインターから国道を経て約18km、車でおよそ30分。鉄道では最寄りの主要駅から車で25分ほどかかる。堤の中ほどには無料の駐車場(約48台分)とトイレ、歩道橋を兼ねた展望所があり、ここを起点に歩く人が多い。強風や大雨のときは通行が規制されることがあるため、出かける前に天気を確かめておくとよい。
歴史
湾の奥では、高潮や洪水から低地を守るため、長い年月をかけて干拓が進められてきた。1990年代後半に、およそ7kmに及ぶ堤防が湾の入口をふさぐ形で完成し、湾内が締め切られた。その堤の上に道路が整備され、2007年12月に開通した。堤の名は、潮の満ち引きを見守る場所という意味で、地元では「潮見の堤」と親しまれている。堤の内と外で水辺の環境が大きく変わったことから、干潟の保全をめぐる議論が今も続いている。
見どころと特徴
見どころは、なんといっても干潟と空の広がりである。展望所からは、内海の水平線のほか、遠くに火山の山並みや連なる山々を望める。干潮のときに堤の外側へ現れる泥干潟は、貝や小さなカニ、ゴカイなどの餌が豊富で、水鳥のえさ場になっている。春と秋の渡りの時期には、ダイゼン、キアシシギ、ハマシギなどのシギ・チドリ類が群れで立ち寄り、顔ぶれが週ごとに入れ替わる。冬は、カモ類やサギ類の姿も目立つ。双眼鏡や望遠鏡を持参すると、足の長さやくちばしの形から種類を見分ける楽しみがある。
行事と利用
観察に向くのは、潮が引いていく途中から干潮の前後にかけての数時間である。満潮のころは鳥が遠くへ退いてしまうため、潮見表を調べてから訪れる人が多い。朝夕は、散歩やジョギング、釣りの人も見かける。霧や小雨の朝でも、静かに待つと水鳥が歩き出して餌をつつく様子が見られる。夏から秋にかけては、渡りの観察会が開かれることもある。堤には日よけが少ないので、夏は帽子と飲み物、冬は風を防ぐ上着が欠かせない。
周辺
堤の周りには、干潟のほかに、干拓地の農地や調整池、湾沿いの漁港が広がる。農地では野菜や麦などが作られ、地元の産物を扱う直売所も点在する。近隣の町には、海産物を出す食堂や温泉もあり、観察のあとに立ち寄る人もいる。同じ県内の港のまち島浜市と合わせて訪れる旅程もよく選ばれる。
訪れるときの心得
干潟の泥は深く、むやみに降りると足をとられて危険である。鳥を驚かせないよう、堤の上から静かに観察するのが決まりごとになっている。ごみは持ち帰り、鳥の餌付けはしない。