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八幡さま(はちまんさま)

別名: 八幡神社、八幡さま(坪多)

城下町の相野馬市の坪多地区にある、弓矢と武運の神を祀る神社。江戸時代中ごろに造られた社殿は、国の重要文化財に指定されている。

概要

八幡さまは、福島県内の城下町のまち、相野馬市の坪多地区にある神社です。弓矢の神、武運の神として知られる八幡の神を祀り、地元の人からは親しみをこめて「八幡さま」と呼ばれています。境内は大きくはありませんが、社殿は江戸時代中ごろの地方の神社建築を代表するものとして、国の重要文化財に指定されています。小さな神社でありながら、城下の歴史と信仰を今に伝える場所として、市の内外から訪れる人がいます。

所在地とアクセス

神社は、相野馬城のあった城下の中心部から南の方角にあります。城下町の面影を残す市街地と、まわりに広がる住宅地や田畑のあいだに位置し、近所の人が散歩の途中に立ち寄る身近な社でもあります。参道に入ると、まず随身門が迎えます。そこから進むと、一続きの建物にまとまった社殿が現れます。駅からは歩いて行ける距離ではなく、車やバスを使う人が多いものの、境内の脇には参拝者のための小さな駐車の場所が用意されています。参拝は、早朝から夕方まで、いつでもできます。

歴史

現在の社殿は、元禄8年(1695年)に、相野馬城の城主家が造営したものです。城主家は、城下の守りとして、また領内の安泰を願う氏神として、この神社を厚く敬ってきました。江戸時代を通じて藩の祈願の場となり、いまも城下の人びとの信仰を集めています。

社殿の建築は、平成24年(2012年)7月9日に、本殿・幣殿・拝殿が国の重要文化財に指定されました。あわせて、随身門、摂社の若宮八幡宮の本殿、末社の亀齢社の本殿も、重要文化財として大切に守られています。指定を機に、屋根や彩色の修理など、建物を長く残すための保存の取り組みも進められてきました。

社殿の特徴

社殿は「権現造」という形式で、本殿、幣殿、拝殿が一つにつながっています。

本殿と拝殿のあいだを幣殿がつなぐ構成は、神への祈りの場と、人びとが参る場を、一つの屋根の下でむすぶ工夫です。外壁や軒まわりには、動物や草花をかたどった彫刻が施され、江戸時代中ごろの職人の技を細かく見ることができます。

摂社・末社と門

境内には、本殿のほかにも古い建物が残っています。参道の入り口に立つ随身門は、神社の守り手である随身の像を左右に置く門で、境内の入り口にふさわしい重みがあります。摂社の若宮八幡宮は、本社の神に縁のある神を祀る小さな社で、末社の亀齢社とともに、本殿と同じく重要文化財に数えられます。いずれも、地方の城下の神社が、藩の保護のもとで整えられてきた様子を示しています。

行事や利用

八幡さまでは、年の初めの初詣のほか、春と秋の例祭が行われ、地元の人びとが集まります。家内安全や厄除け、勝負ごとの成就を願うお参りも多く、受験や試合の前に訪れる人もいます。七五三の時期には、晴れ着姿の家族が境内に見られます。年の暮れには、近所の人が集まって境内を掃き清め、新しい年を迎える準備をします。

周辺

神社のまわりには、城あとの公園や、白壁の家並みの残る通りがあり、城下町の散歩の道として親しまれています。春には桜、秋には木々の色づきが楽しめます。近所の人にとっては、仕事や買い物の帰りに前を通り、手を合わせる、暮らしの一部になっている神社です。年の瀬には、一年の無事を感謝して立ち寄る人の姿も増えます。

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