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北脇市(きたわきし)
兵庫県東部の内陸にある人口約3万5千人の市。江戸時代後期に始まる先染めの織物「北脇織」の産地で、国内の先染織物の7割以上を占める織物のまち。東経135度線と北緯35度線が交わる「列島のへそ」を名乗る。
概要
北脇市は、兵庫県の東部、県都の港野市から北へおよそ50kmの内陸にある市です。面積は約132平方キロメートル、人口は約3万5千人で、盆地状の平地と、周囲になだらかな山並みが続く地形をもちます。江戸時代後期から続く先染めの織物「北脇織」の産地で、国内で作られる先染織物の7割以上をこの地域が占めるといわれます。市内には織物工場や染色工場、織布の会社が点在し、higashimaru-orifuのような綿織物の工場も操業しています。
位置と地形
東経135度線と北緯35度線が交わる地点が市内にあるため、「列島のへそ」を名乗り、まちの看板や公園の名にもこの呼び名が使われています。市域を川が南北に貫き、その流域に市街地と工場、田畑が連なります。東側と北側は丘陵や山地で、里山の風景が広がります。
歴史
北脇織の起こりは1792年にさかのぼります。日延庄村の大工が、京の織物の産地から織りの技術を持ち帰って伝えたのが始まりとされます。農家の副業として広まり、藍や草木で染めた糸で縞や格子を織る木綿の産地として育ちました。明治以降は機械織機が入り、染めた糸を使うシャツ地やハンカチ地、浴衣地などへ産地の裾野が広がりました。
1952年4月1日に北脇町と近隣の1町3村が合併して市制を施行しました。2005年10月1日には隣の黒多庄町と新設合併し、現在の北脇市となりました。
北脇織と産業
北脇織の特徴は「先染め」にあります。先に糸を染めてから織るため、織り上がった生地は色の出方が深く、洗っても色あせにくいとされます。工程は、糸の染色、整経(糸を縦糸として並べる作業)、製織、仕上げに分かれ、各工程を専門の工場が分担する分業の仕組みが産地の強みです。糸の染め分けで縞や格子、無地まで多様な柄を作れるため、シャツ地を中心に、ハンカチ、ストール、寝具、インテリア用の布まで用途が広がっています。近年は産地の生地を使った自社ブランドや、地元の生地を使う洋服づくりも増えています。
織物のほかには、針の製造、黒多庄和牛、地域のご当地ラーメンなども特産として知られます。
見どころと文化
「列島のへそ」を記念する公園には、体験展示施設や、現代美術を収める丘之山美術館があります。織物の歴史と製品を紹介する工房館では、機織りの見学や小物づくりの体験ができます。天神ヶ池には体育館と温水プールを備えたスポーツ施設があり、市民の運動の場になっています。
市内には県立の工業高校があり、織物や機械などの専門学科で学べるほか、全国高校駅伝で8度の優勝を誇る陸上競技の名門としても知られます。
行事
毎年8月には、織物まつりが開かれ、市街地に露店と催しが並びます。かつては12月に、へその市を名乗る子午線マラソン大会も開かれていましたが、2022年を最後に打ち切られました。
交通
鉄道は加古浜線が南北に通り、北脇市駅、日延駅、へその公園駅など7つの駅があります。道路は国道が市内で交わり、自動車道のインターも近く、大坂市方面へは高速バスで約80分です。港野市や周辺の都市へ通う人も多く、織物のまちでありながら住宅地としての性格もあわせもっています。