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狐坂木材店(きつねざかもくざいてん)
宮城県白岩市の坂道のふもとにある木材店。杉や桧などの建築用材を卸・小売するほか、製材で出る端材や樹皮を活用し、売り場では端材も分けてくれる。
概要
狐坂木材店は、宮城県白岩市の住宅地のはずれ、坂道のふもとにある木材店である。杉や桧などの建築用の木材を中心に、建具や内装に使う板材、角材を扱い、大工や工務店、家具や建具をつくる職人のほか、日曜大工をする近所の人も訪れる。売り場の脇には端材を置く一角があり、頼めば分けてもらえることでも知られている。
沿革
創業は1950年5月で、当初は「狐坂材木店」の名で、材木の小売と卸を営む小さな店だった。戦後の住宅の建て直しが続くなか、地元の大工に板や柱を納める仕事から広がっていった。1965年に株式会社となり、屋号を現在の「狐坂木材店」に改めた。資本金は1億円で、従業員は約80人。売り場は小さいが、会社としては地域の中堅にあたる。木を中心に据えるという方針は、創業から今まで変わっていない。
事業と特徴
事業は大きく分けて、木材の卸・小売、大工・内装・家具・建具の施工、製紙用のチップの製造、バーク(樹皮)の堆肥づくりの四つである。製材で出る端材や樹皮を捨てずに、チップや堆肥にして使い切るのが特徴で、これが売り場で端材を分けてくれる気風にもつながっている。近年は、土木資材の販売、立木の伐採、木材のリサイクルにも取り組んでいる。
国内の取引に加えて、丸太を台湾へ直接輸出している。反対に、建築用の木材や木工機械を台湾、カナダ、中国から直接輸入し、国産材と外材の両方をそろえている。仕入れは地元の山の杉や桧を軸にしており、乾燥させた材を年間を通して切らさないよう、敷地内の置き場で順に寝かせている。
売り場と端材
売り場では、杉の薄板、桧の角材、化粧板、合板などを、寸法を伝えて切ってもらえる。小さな巣箱や棚、補修用の板が欲しい人には、定尺の板を買うよりも、端材の山から合うものを探すほうが手軽で、安く済む。端材は樹種ごとに箱や棚に分けて置かれ、杉の薄板や桧の切れ端は特に人気がある。分けてもらうときは、事務所か売り場の人に一声かけるのが決まりで、のこぎりやヤスリを借りてその場で寸法を直す客もいる。釘や木ねじ、蝶番、塗料などの小物も少し置いてあり、板を選んだついでにそろえられる。
所在地とアクセス
店は白岩市内の坂道のふもとにあり、近くには稲荷の神社である狐坂神社がある。坂の名と同じ「狐坂」を屋号に冠しているのは、この土地の呼び名に由来する。駅から離れた住宅地のはずれにあるため、訪れる人は車か徒歩が中心で、資材を積む大工の軽トラックも多い。広めの駐車場と材木の置き場が店の前に続き、積み上げた板の匂いが道まで届く。営業は平日と土曜の日中が中心で、日曜と祝日は休みのことが多い。雨の日は置き場の屋根の下で作業するため、天気を気にせず立ち寄れる。
地域とのかかわり
地元の大工や建具屋、工務店にとっては、必要な板を急ぎで手に入れられる身近な仕入れ先であり、家庭の客にとっては、手入れや工作の相談ができる店である。端材を分ける習慣は、巣箱づくりや子どもの工作、庭の小さな修繕など、暮らしの中の木工を支えてきた。堆肥にしたバークは、近所の畑や庭づくりをする人にも分けられ、木を使い切る姿勢が地域の暮らしにも根づいている。