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香束市(こうづかし)
田んぼと畑が広がる農村の集落をもつ、千葉県北東部の市。刀根川の水運で栄えた古い町並みと、水路の巡る水郷の景色、米どころとしての農業で知られる。
概要
香束市は、千葉県の北東部に位置する市である。人口は約6万6千人、面積は約262平方キロメートル。県庁所在地から約45km、東京都心から70〜80km圏内にあり、標高20〜40mほどの平坦な土地が広がる。田んぼと畑が広がる農村の集落を市内の各所にもち、刀根川の水運で栄えた古い町場と、のどかな農村風景が同居している。
地理と合併の経緯
北は刀根川に面し、横刀根川や小野瀬川などの川と、水路や湖沼が網の目のように巡る水郷地帯である。この景観は全国の水辺の景観を選ぶ「水郷百選」の一つにも選ばれ、春から秋にかけては水面に空と岸の緑が映る。南へ向かうと台地がゆるやかに起伏し、雑木林と畑、谷あいの水田が交互に現れる。
市は2006年3月27日、佐和原市、小身川町、山ノ田町、粟源町の1市3町が合併して発足した。市内には旧市町ごとの中心地が残り、駅や役場の周辺には商店や住宅が集まり、それぞれ違った顔をもつ。合併後も、旧町ごとの祭りや地域の集まりが続けられており、暮らしの単位としての地区のつながりは今も強い。
産業
農業が基幹産業で、米の出荷量は県内第1位。サツマイモ、ニラ、ネギなどの野菜づくりも盛んで、ブドウの生産量も県内で最も多い。水田では早場米の栽培が行われ、秋の収穫期には田んぼが一面の金色に染まる。農機具の販売と整備を行う久保見農機のように、農家の暮らしを支える店や営業所も市内にある。農協は香束みらい農協が、集荷や販売、資材の取り扱いを担う。
このほか、川と水路を生かした観光、台地の工業団地での製造業、国道沿いの商業施設などが、農業を補う形で市の暮らしを支えている。
町並みと見どころ
旧佐和原の中心部では、小野瀬川の両岸に江戸時代から昭和初期にかけての商家や蔵が並び、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれている。川には舟が行き交い、柳並木と石積みの岸が情緒を添える。町には、日本地図づくりに生涯を捧げた商家の当主の旧宅(国指定史跡)も残る。
また、古くから武の神を祀る香束神宮(旧官幣大社)が市内の台地にあり、広い杜と参道で知られる。水郷の国定公園にもかかり、さっぱ舟で水路をめぐる観光も行われている。
行事と暮らし
夏には川沿いで、山車が町を巡る祭礼が行われる。江戸時代から続くとされ、大きな人形を載せた山車が、囃子とともに古い町並みを進む。秋には新米の季節に合わせた催しが開かれ、地元の米や野菜、ブドウが並ぶ。春には水辺の花菖蒲と、堤の桜が訪れる人を迎える。
アクセスと周辺
市内には鉄道の駅が複数あり、東京方面へは乗り換えを含め1時間半ほどで結ばれる。道路は国道と自動車道のインターが整い、車での往来も多い。川を挟んで隣の県と向かい合い、東には漁港のまち銚浦市が、近くに北荘町がある。水と農の景色を楽しみながら歩いて巡れる、静かなまちである。