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晴嶺精工株式会社(せいれいせいこうかぶしきがいしゃ)
北登市の工業団地に工場を置く、従業員約180人の精密部品メーカー。自動車や産業機械に使う小さな金属部品を、切削加工から検査まで一貫してつくっている。
概要
晴嶺精工株式会社は、自動車や機械に使う小さな金属部品をつくる精密部品の会社である。本社と主力工場を岩手県の北登市の工業団地に置き、従業員は約180人。製品の多くは手のひらに収まる大きさで、軸、ピン、スリーブ、バルブの部品、ブラケットなどが中心になる。寸法の許容差が数ミクロン単位で求められる部品も多く、図面にもとづく高い加工精度と、決まった数を決まった日に届ける安定した供給が、取引先から求められている。
沿革
創業は1970年代の前半で、はじめは数台の旋盤で自動車部品の下請け加工を行う、小さな町工場だった。1980年代に入り、県内に自動車関連や電子部品の工場が増えると、取引先も広がった。1990年代にはNC旋盤とマシニングセンタを次々に導入し、手作業に頼っていた段取りを減らして、量産に耐える体制を整えた。2000年代には、生産管理のシステムを入れて、ロットごとの加工履歴をたどれるようにした。2010年代には複合加工機と三次元測定機を増やし、近年は省人化のための自動搬送の設備にも力を入れている。
事業と製品
事業の柱は金属の切削加工である。素材は炭素鋼、合金鋼、ステンレス、アルミ合金、真鍮などで、棒材から削り出す丸物と、鋳物や鍛造品を削る角物の両方に対応する。自動車向けは、エンジンや変速機まわりの部品、ブレーキや燃料系の小物部品が中心で、全体の売上の半分ほどを占める。残りは、建設機械や油圧機器、工作機械、産業用ロボットなどの機械向けの部品である。必要に応じて、熱処理や表面処理は協力会社に出し、社内では仕上げの研削、バリ取り、洗浄、検査、梱包までを行う。試作から月産数万個の量産まで受けられ、図面の段階から加工しやすい形を提案する「設計への相談」にも応じている。
品質と設備
工場には、NC旋盤、複合加工機、マシニングセンタ、研削盤などが並び、24時間運転ができる自動化ラインも一部に設けている。検査室は温度を一定に保ち、三次元測定機、真円度測定機、画像測定機で寸法と形状を調べる。品質マネジメントの国際規格(ISO 9001)と、自動車産業向けの品質規格にもとづく管理を行い、不具合が出たときは原因を工程までさかのぼって調べる。環境面では、切削油の回収と再利用、切りくずの分別とリサイクルに取り組み、工場の照明のLED化も進めてきた。
所在地と組織
工場は北登市の工業団地にあり、南北と東西の自動車道が交わる交通の便のよさを生かして、東北各地の自動車部品メーカーや機械メーカーに部品を届けている。組織は、製造部、品質保証部、生産技術部、営業部、管理部に分かれる。従業員の平均年齢は30代後半で、女性の技能者も増えている。新人は入社後に半年ほどの社内研修を受け、切削加工の基本から測定、安全の知識までを学ぶ。技能検定の受検も会社が支え、機械加工の有資格者を増やしてきた。
地域とのかかわり
地元の高校や工業系の学校からの採用に力を入れており、工場見学やインターンシップも受け入れている。毎年、団地の企業が合同で開く就職説明会にも加わる。近くの小学生向けには、金属の削りくずを使った工作の体験会を開くことがある。また、工業団地の清掃や、地域の防災訓練に参加するなど、水田の広がる周辺の住民とのつきあいも大切にしている。同じ市内には、半導体製造装置の金属部品を手がける北登精機株式会社のような精密部品の会社もあり、人材や技術の面で、たがいに刺激を与え合う関係にある。