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白嶺市(しらみねし)
石川県の中ほどにある、手戸川の流域に広がる市。南の山岳地帯から北の扇状地、日本海沿いまでを市域にもち、山あいの地区、住宅地、工業団地が川の流れに沿って並ぶ。
概要
白嶺市は石川県の中ほどにある市で、人口は約10万8千人。県内では県都の金洲市に次ぐ規模をもつ。面積は約755平方キロメートルあり、県内の市町で最も広い。市域は手戸川の流域がほぼ丸ごと入っており、南の山岳地帯から北の扇状地、日本海に面した海沿いまでが一つの市に収まっている。山あいの地区、住宅地、工業団地という三つの顔が、ひとつながりの川の流れに沿って並んでいる。
地理と気候
南部は白嶺山をはじめとする山岳地帯で、一帯は国立公園に含まれる。山から流れ出た手戸川は北へ向かって広い扇状地をつくり、そこに水田と住宅地、工場が広がる。川が山を削ってできた深い峡谷や、大きなダム湖も上流部にある。日本海を流れる暖流の影響を受けるため、冬は湿った雪が多く、山間部は豪雪地帯となる。同じ市内でも、海沿いと山あいでは積雪の量が大きく違い、山あいでは根雪が長く残る。扇状地の伏流水は豊かで、酒造や農業を支えてきた。
歴史
市の中心部はもともと、宿場や港を抱えた松登市として栄えていた。山ぎわの鶴木地区は、白嶺の信仰の拠点である白嶺比売神社の門前町として、また手戸川の水運と山の物産の集散地として発展した。山から切り出した木材や炭、絹織物の原料などが川沿いの町に集まり、そこから海沿いや城下へ運ばれた。海沿いの美河地区は川の河口の港町として知られ、北へ向かう船の寄港地でもあった。2005年2月1日、松登市と、石戸郡の2町5村が新設合併して現在の白嶺市が発足した。当時の県内では最大規模の合併で、平野部から山岳地帯までを一つの市がまとめる形になった。
産業
扇状地の平らな土地を生かした大規模な工場が多く、精密機器の会社やスポーツ用品の関連会社が本社や工場を置く。工業団地は国道と鉄道の沿線に点在し、近隣から通う従業員も多い。農業は稲作が中心で、県内の米の生産額の約1割強を占める。水田の広がる景色は、扇状地の広さを実感させる。酒造も盛んで、扇状地の伏流水と山の水を使う蔵が市内に5つほどあり、日本酒の産地として知られる。山あいでは、豪雪地帯ならではの山菜やそばの栽培、林業も営まれている。
観光と文化
山の方には国立公園の自然と、複数の温泉(美河温泉、山あいの温泉地など)がある。夏は登山、冬はスキーを目当てに訪れる人が多い。白嶺山は古くから信仰の山とされ、山頂の奥宮と麓の白嶺比売神社をつなぐ参拝の習わしが今も受け継がれている。上流部の峡谷とダム湖は景観が見事で、川がつくった地形を学べる地質公園としても整備されている。秋には各地区で祭りが開かれ、獅子舞や、美河地区の港町に伝わる曳山の巡行などが見られる。
交通
市の中心部には鉄道の本線の駅があり、金洲市方面へ通勤・通学する人が多い。扇状地を東西に走る国道と自動車道が市内を結び、北陸方面の幹線として物流を支えている。山あいの地区へは路線バスやコミュニティバスが通うが、冬は積雪で運行に影響が出ることもある。海沿いの美河地区は、かつて港町として栄えた名残で、古い町並みが一部に残る。
くらしと地域
平野部の住宅地は、金洲市へ通う人のベッドタウンとして広がり、新しい分譲地と古い農家集落が入り混じる。扇状地の水田の間を用水路が走り、散歩や自転車で季節の景色を楽しむ人も多い。山あいの地区では人口の減少と高齢化が課題で、地域で支え合う活動が進められている。市内には総合病院として白嶺みどり病院があり、市と周辺の医療を担っている。
周辺
北は日本海に面し、東西は同じ県内の市町と接している。西には城下町と湊町の歴史をもつ小槻市があり、南は山をはさんで岐阜県側へ続く。県都の金洲市とは、車や電車で30分ほどの距離にある。